Cisco、AIスパコン向けチップ「G200」「G202」発表 最大3.2万基のGPUを接続
米CiscoはAIスーパーコンピュータ向けイーサネットスイッチチップ「G200」と「G202」を発表した。前世代比で性能を2倍に高め、最大32,000基のGPUを接続可能で消費電力を最大40%削減する。すでに大手クラウド事業者6社中5社がテストを開始している。
生成AIブームの裏で、業界のボトルネックはGPUの確保から「GPU同士をどう繋ぐか」に移りつつあります。数万基のアクセラレータを並列稼働させる場合、ネットワークの遅延が全体の学習効率を左右するためです。
この巨大需要を狙い、ネットワーク大手のCiscoがAIスーパーコンピュータ向けの新世代スイッチチップ「G200」および「G202」を発表しました。米BroadcomやMarvell Technologyが牛耳る市場への本格参入となります。
3万2000基のGPUを束ねる新シリコン
新チップは従来の同社製スイッチと比較して性能が2倍に向上しており、単一ネットワーク内で最大3万2000基のGPUを相互接続できる処理能力を備えています。
CiscoフェローのRakesh Chopra氏によると、スイッチ自体の必要台数を減らし遅延を抑える設計により、AIワークロード全体の消費電力を最大40%削減できる見込みです。電力供給が逼迫するデータセンターにとって、この省電力性は極めて強力な武器になります。
同社によれば、具体的な社名は伏せているものの、世界の主要クラウド事業者トップ6社のうち5社がすでに本チップのテストを実施中とのことです。市場規模から考えれば、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといったハイパースケーラーが含まれているのは確実視されています。
なぜ重要か
AIインフラ市場では長らく、Nvidiaが推す独自のInfiniBandと、Broadcomなどの標準イーサネット勢が覇権を争ってきました。Ciscoの参入は、クラウド事業者にとって選択肢が増えることを意味します。
巨大テック企業にとって、特定ベンダーへの依存は調達コストと納期の両面で大きなリスクです。最大3万2000基という接続規模と40%の節電効果を両立させたイーサネットチップが登場したことで、顧客側は価格交渉や調達リスクの分散において有利に立ち回れるようになります。
私たちは、Ciscoが「省電力」と「スイッチ数の削減」という、現場が最も頭を抱えている課題に正面から切り込んだ点を高く評価しています。ただ、テスト導入と本番環境での大規模採用には依然として大きな隔たりがあります。実績のあるBroadcomの牙城を崩せるかどうかは、実運用におけるパケットロス対策やソフトウェアの成熟度にかかっています。
情報源 (1)
- techtimes.com(新しいタブで開きます)原文techtimes.com