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業界動向

シスコ、AI向けにネットワーク製品群を刷新:400G光モジュールや新スイッチ投入

公開 拡散指数 44

シスコは今週の「Cisco Live」にて、急増するAIトラフィックによるデータボトルネックを解消するため、ネットワーク製品群の大規模な刷新を発表しました。AIアシスタントを統合したNexus Dashboardや400G光モジュール、SiliconOne搭載スイッチを展開し、AI基盤の構築を支援します。

シスコ、AI向けにネットワーク製品群を刷新:400G光モジュールや新スイッチ投入
画像:bloomberg.com

大規模なAIモデルを運用する際、GPUの確保と同じくらい頭を悩ませるのがネットワークの帯域不足です。計算リソースがどれほど強力でも、サーバー間をつなぐ回線が詰まれば処理は止まってしまいます。

シスコはサンディエゴで開催中のイベント「Cisco Live」において、AIトラフィックの急増に対応するためのネットワーク製品群の大規模アップデートを発表しました。データセンター管理ソフトから光モジュール、キャンパス向けスイッチ、さらにはNvidia製GPUを組み込んだパッケージまで多岐にわたります。

既存ファイバーの半減と事前検証済みAI Pod

データセンターのバックボーン向けには、新たな400G光モジュールが投入されました。双方向伝送技術を活用しており、既存の光ファイバー設備を流用しながら、必要なファイバー数を半分に減らすことが可能です。

シスコのオプティカル部門責任者であるビル・ガートナー氏によると、AIインフラの拡張に伴い、400Gおよび800Gモジュールが今後の市場の主流になると説明しています。

また、自社でゼロから環境を構築するのが難しい企業向けに「Cisco AI Pod」のラインナップも拡充しました。Nvidia RTX 6000 ProとCisco UCS C845A M8サーバーを組み合わせた事前検証済みのパッケージです。

このパッケージには開発ツールや学習済みモデルを含む「Nvidia AI Enterprise」が同梱されており、同社のクラウド管理プラットフォーム「Cisco Intersight」を通じて一元管理できます。現場のIT部門は検証作業に追われることなく、迅速にAI基盤を立ち上げられます。

自社製チップで性能10倍、AIアシスタントも統合

キャンパスネットワーク向けには、自社製ASIC「SiliconOne」を搭載した「C9350」固定アクセススイッチと「C9610」モジュラーコアスイッチが登場しました。

スイッチング事業を率いるグレッグ・ドライ氏によれば、従来機と比較して最大10倍のパフォーマンス向上を実現しています。チップ内の専用スライスで並行処理を行うことで、自律型AIエージェントや生成AIなどの重いワークロードが重なっても干渉を受けずに処理できます。

さらにソフトウェア面では、複数の異なるネットワーク規格をひとつの画面で統合監視できる「Unified Nexus Dashboard」を7月に提供開始します。自然言語で指示を出してネットワークトラブルの原因特定や修復提案を受けられるAIアシスタント機能も組み込まれました。

なぜ重要か

今回の発表は、AI導入のボトルネックがGPU単体からインフラ全体の接続性と運用管理へ移っている現状を的確に捉えています。

ユーザーである企業側から見れば、既存のファイバー設備を活かして帯域を倍増させ、ハードウェアとソフトウェアが最初から検証されたパッケージを導入できるメリットは非常に大きいです。自前で高度なネットワークエンジニアを抱えずにオンプレミスで生成AIを動かしたい企業にとって、現実的な選択肢になります。

業界の視点では、ネットワーク市場で攻勢を強めるNvidiaへの対抗と協調の両面が見て取れます。NvidiaのSpectrum-Xなどが台頭するなか、シスコはあえてNvidiaのハードやソフトを自社の検証済み構成に組み込み、運用管理ソフトの使いやすさで差別化を図っています。

ただし、巨大クラウド事業者がホワイトボックス製品や自社設計スイッチに傾倒している以上、シスコが高価格帯の統合パッケージで攻め込めるのは一般エンタープライズ市場が中心になると考えられます。運用の省力化という強みをどれだけアピールできるかが今後の普及の鍵となりそうです。

情報源 (2)

  1. [1]
    bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
  2. [2]

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