OpenAIの「ChatGPT Ads」、開始200日足らずで年間売上10億ドル規模に 欧州やインドへ拡大
OpenAIはChatGPT Adsの年間経常収益ランレートが提供開始から200日未満で10億ドルを突破したと発表した。40カ国以上の広告主が利用しており、同日よりインドや欧州、中東、北アフリカで広告マネージャ経由のセルフサービス提供を開始する。週間10億人を超えるアクティブユーザーを支える収益の柱として成長している。

チャットボット上の広告が実際に成立するのかという疑問に、OpenAIが強力な数字で回答を示しました。
米OpenAIは、ChatGPT Adsの年間換算売上高(ランレート)がサービス開始から200日足らずで10億ドル(約1500億円)を突破したと発表しました。現在、世界40カ国以上で数万社の広告主が同プラットフォームを利用しています。
あわせて、広告配信管理プラットフォーム「Ads Manager」のセルフサーブ提供を、インド、欧州、中東、北アフリカへと拡大することも明らかにしました。
中小企業の参入と広告運用の高度化
ChatGPTの広告は当初、専任チームや代理店経由の大手案件を中心に運用されていました。
転換点となったのは5月のAds Managerの導入です。これにより中小企業やスタートアップが直接出稿できるようになり、現在では中小企業が広告売上の重要な割合を占めるまでに成長しました。米国外の広告主による売上比率も拡大しています。
プラットフォーム機能の拡充も進んでいます。50社以上の計測・テクノロジーパートナーと連携し、クリック課金(CPC)や成果報酬型の自動入札が配信の大半を占めるようになりました。
ピクセルタグやコンバージョンAPIのほか、商品フィード連携、地域やデバイスターゲティング、カスタムオーディエンス機能も実装されています。
OpenAIが公開した実績によると、あるEC広告主は28日間の運用で広告費用対効果(ROAS)3倍を記録し、別のテクノロジーパートナーでは広告経由トラフィックの80%以上が新規顧客だったとしています。
会話の文脈とプライバシーの線引き
広告はChatGPTの回答本文とは明確に区別して表示され、広告主への会話ログの提供や、回答内容への広告主の介入は排除されていると説明されています。
配信ロジックは、現在の会話の文脈に基づいて関連性の高いスポンサー情報を提示する仕組みです。ユーザーがソフトウェアの選定や旅行の計画を立てている最中に、適切な選択肢を提示します。
地域やユーザー設定によっては、過去の利用履歴に基づく興味関心も加味されますが、パーソナライズのオン・オフはユーザー自身で設定可能です。
OpenAIは、広告収入は有料プランやAPI提供と並ぶ収益の柱であり、週あたり10億人を超えるアクティブユーザー向けに無料枠を維持するための基盤だと強調しています。
なぜ重要か
開始から200日未満での10億ドルランレート到達は、対話型AIにおける購買意図の密度の高さを如実に証明しています。
検索エンジンで複数タブを開いて比較検討するプロセスが、AIとの対話では1画面で完結します。意思決定のまさにその瞬間に広告を差し込めるため、高い新規顧客獲得率を生み出していると見られます。
マーケターや企業にとって、特に新規獲得を急ぐD2CやSaaS事業者にとっては、先行者利益を狙ってテスト出稿を検討する価値が十分に出てきました。
業界全体から見れば、GoogleやMetaが支配してきた運用型広告市場への本格的な殴り込みです。生成AIが単なる計算インフラのコストセンターではなく、極めて高効率な広告メディアとして自走できることを示した意味は小さくありません。
情報源 (1)
- openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com