AWS、生成AIプラットフォーム「Amazon Bedrock」の一般提供を開始
AWSは生成AIのフルマネージドサービス「Amazon Bedrock」の一般提供を開始した。単一のAPIからAnthropicやMetaなどの主要モデルを利用できるほか、検索やRAGを支援する「Titan Embeddings」も正式リリースされ、企業の独自データを活用したAI活用を後押しする。

企業が生成AIを本番導入する際、最大の壁となるのはモデルの選定だけでなく、インフラ構築の負荷と社内データの機密性です。
AWSは、生成AI向けフルマネージドサービス「Amazon Bedrock」の一般提供(GA)を開始しました。4月の発表以来プレビュー提供されていたサービスで、単一のAPIを介して複数の主要な基盤モデルを利用できるようにします。
これに合わせて、自社製埋め込みモデルの提供やMetaのLlama 2の追加、開発者ツールの強化など、企業利用を見据えた一連のアップデートも発表されました。
単一APIで主要モデルを束ねるマネージド基盤
Bedrockはサーバーレスで提供され、企業は大規模なクラスタインフラを独自に管理することなく生成AIアプリを構築できます。単一APIからAI21 Labs、Anthropic、Cohere、Stability AI、そしてAmazon自社のモデルへアクセス可能です。
さらにAWSは、Metaの大規模言語モデル「Llama 2」を数週間以内に追加すると発表しました。フルマネージド生成AIサービスとしてLlama 2をマネージドAPI経由で提供するのはBedrockが初となります。提供されるモデルは4,000トークンのコンテキスト長に対応し、AWSのインフラ上で高速に応答するよう最適化されています。
モデルの呼び出しにとどまらず、コードを書かずに複雑なビジネスタスク(出張予約、保険金請求処理、在庫管理など)を実行できる自律エージェントの作成機能も備えています。ユーザーの固有データでモデルをカスタマイズした場合でも、そのデータが基盤モデルの再学習に使用されることはありません。
RAG構築、社内コードの学習、自然言語BI
企業データと連携するRAG(検索拡張生成)の需要に応えるため、AWSは自社開発の「Amazon Titan Embeddings」の一般提供も開始しました。25言語以上と最大8,000トークンのコンテキスト長をサポートし、長文ドキュメントのベクトル化に対応します。
開発者向けツールのAmazon CodeWhispererには、企業の非公開コードベースを参照してコード補完を行う新機能が数週間以内にプレビュー公開されます。GitLabやAmazon S3のプライベートリポジトリを接続することで、社内独自のAPIやライブラリに合わせた提案が可能になります。
ビジネスインテリジェンスのAmazon QuickSightには生成型BIオーサリング機能が加わり、自然言語の指示や断片的なフレーズからグラフ作成や計算を自動で行えるようになりました。さらに、基礎を1時間で学べる無料オンライントレーニングも公開されています。
なぜ重要か
生成AIの競争は、単体モデルの性能自慢から、企業の既存システムといかに安全に統合できるかというフェーズに入りました。
開発現場にとってBedrockの価値は、複数のAIベンダーと個別契約を結ぶことなく、統一された認証とネットワークセキュリティの中で複数のモデルを試せる点にあります。インフラの管理工数をゼロにしつつ、自社データの漏洩リスクを遮断できるのは大きな利点です。
私たちは、AWSのこの立ち回りを非常に手堅い戦略だと考えています。特定のフロンティアモデルと運命を共にするのではなく、有力モデルを束ねる流通プラットフォームとなり、自社のクラウド基盤とデータ保護の信頼性で囲い込むアプローチです。
ただし課題もあります。プラットフォームとしての使い勝手は各モデルプロバイダーが直接提供するAPIの機能拡張スピードに左右されます。マネージド環境でのモデル更新や細かなパラメータ調整が直販版より遅れる場合、先進的な開発チームを繋ぎ止め続けられるかが試されることになります。
情報源 (1)
- aboutamazon.com(新しいタブで開きます)原文aboutamazon.com
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