Anthropic、「Claude Platform on AWS」を一般公開 IAM認証や一括請求に対応
Anthropicは「Claude Platform on AWS」の一般提供を開始した。AWSの既存IAM認証や一括請求を維持したまま、Managed Agentsやコード実行といったClaudeネイティブAPIの全機能を即座に利用できる。データがAWS境界内にとどまるAmazon Bedrockとは異なり、同社が直接運用する。

AWS 上で Claude を利用している開発チームにとって、最大の悩みは新機能の提供スピードでした。Anthropic 本家で魅力的な機能がリリースされても、Amazon Bedrock への反映を待つ必要があり、本家 API を直接使おうとすれば請求やアクセス権限の二重管理が発生していたからです。
Anthropic は 5 月 11 日、「Claude Platform on AWS」の一般提供を開始しました。Anthropic が提供する本家プラットフォームの全機能を、既存の AWS アカウントのまま利用できるようにするサービスです。AWS IAM による認証、CloudTrail による監査ログ、AWS Marketplace を通じた一元的な請求に対応し、既存の AWS 利用コミットメントも消化できます。
最新機能を初日からフル活用できる環境
最大の特徴は、Anthropic の公式 API と完全に同等の機能を同日利用できる点です。新モデルやベータ機能がリリースされたその日から、AWS 経由でそのままアクセスできます。
対応機能には、Claude Managed Agents、アドバイザー戦略、Web 検索、Python によるコード実行、Skills、MCP コネクタなどが含まれます。Prompt Caching や Batch API、Files API も利用可能で、モデルは Claude Opus 4.7、Sonnet 4.6、Haiku 4.5 に対応しています。開発環境の Claude Console にもアクセスでき、Claude Code や Claude Cowork からワークスペースへ接続する設定も容易です。
Bedrock との違いはデータの処理境界
既存の Amazon Bedrock と何が違うのかといえば、サービスの運用主体とデータの境界です。
Bedrock では AWS がデータ処理者となり、すべての通信と処理が AWS のセキュリティ境界内に留まります。厳格な地域データ保持要件がある企業には引き続き Bedrock が適しています。
一方、Claude Platform on AWS は Anthropic 自身がサービスを運用し、データ処理は AWS の境界外で行われます。なお、既存の Bedrock 専用プライベートオファーの割引は自動的かつ遡及して適用されないため、移行前に担当者への確認が必要です。
なぜ重要か
開発者にとって、社内導入のハードルが劇的に下がった点は非常に大きな価値があります。これまで Claude Code や自律型エージェントを試すために新規の海外ベンダー契約を結ぶのは骨が折れる作業でしたが、使い慣れた AWS IAM と請求の枠組み内で即座に検証できるようになりました。
業界構造の観点でも興味深い動きです。クラウド大手にモデルを卸して主導権を握られるのではなく、AWS を認証と請求の窓口として活用しながら、プラットフォーム体験そのものは自前で握り続ける形を選びました。
競合する AI 各社にとっても、最新エージェント機能を主要クラウドの請求体系にそのまま乗せてくる Anthropic のスピード感は強い脅威になります。ただし、データが AWS の外に出る仕様上、金融や公共分野など極めて保守的なエンタープライズ顧客への展開には依然として Bedrock との使い分けが求められます。
情報源 (2)
- claude.com(新しいタブで開きます)原文claude.com
- aws.amazon.com(新しいタブで開きます)報道aws.amazon.com