Anthropic、Claude 4.6の100万コンテキストを一般提供:追加料金なしの標準価格
AnthropicはClaude Opus 4.6とSonnet 4.6の100万トークンコンテキストを一般提供開始した。長文追加料金は不要で標準単価のまま利用でき、画像やPDFの送信上限も600件へ拡大。Claude Code有料プランでも自動適用され、文脈圧縮による情報欠落を防ぐ。

大規模なコードベースのデバッグや分厚い契約書の分析を AI に任せたとき、作業が佳境に入った途端に前の会話が要約されて大事な情報が消えてしまう問題に、多くの人が悩まされてきました。
Anthropic は、Claude Opus 4.6 および Sonnet 4.6 の 100 万トークンコンテキストウィンドウを一般提供(GA)として公開しました。最大のポイントは、長文コンテキストに課されていた追加料金を撤廃したことです。
100万トークンでも通常料金、PDFは最大600ページ
これまで大規模モデルで長大なコンテキストを扱う場合、料金が割高になったりレート制限が厳しくなったりするのが一般的でした。
今回の改定により、Opus 4.6 は入力 5 ドル/出力 25 ドル(100 万トークンあたり)、Sonnet 4.6 は入力 3 ドル/出力 15 ドルという通常料金がそのまま適用されます。90 万トークンのリクエストを送っても、9000 トークンの場合と単価は変わりません。
同時にメディア入力の制限も大幅に緩和されました。1 回のリクエストで送信できる画像や PDF の上限は、従来の 100 から 6 倍となる 600 枚(ページ)まで拡大しています。
API 利用時に必要だった beta ヘッダーは不要になり、20 万トークンを超えるリクエストは自動的に処理されます。Claude Platform のほか、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI、Microsoft Foundry でも順次利用可能です。また、Claude Code の Max、Team、Enterprise プランでは、Opus 4.6 で 100 万トークンが自動的にデフォルト適用されます。
長時間稼働するエージェントの忘却を防ぐ
コンテキスト長が伸びても、途中の情報を正確に拾えなければ意味がありません。Anthropic によると、Opus 4.6 は MRCR v2 ベンチマークで 78.3% を記録し、同等の長さを持つフロンティアモデルの中で最高水準のスコアを示しています。
ソフトウェア開発アシスタントの Devin を手掛けるチームは、従来の 200K では大きな差分を分割する必要があり、ファイル間の依存関係を見落とす原因になっていたと指摘しています。100 万トークンを直接読み込ませることで、レビュー品質が向上したと報告しています。
また、エージェントを長時間稼働させる現場からは、コンテキスト圧縮の頻度が減り、無駄な要約や再検索が減った結果、システム全体で消費するトークン数がむしろ減少したという声も上がっています。
なぜ重要か
私たちは、この施策の本質が技術的な拡張以上に、価格戦略を通じた競合への圧力にあると考えています。長文コンテキストの割増料金をなくしたことで、100 万トークンは特別な実験的機能から、誰もが日常的に使える標準インフラへと位置づけが変わりました。
開発者にとっては、これまで必須とされてきた複雑な RAG(検索拡張生成)パイプラインや、情報の欠落を招きやすかった要約処理の多くを省略できる価値があります。特に契約書の全履歴精査や大規模コードの改修など、前後の文脈が致命的になる作業では今すぐ試す価値があると言えます。
ただし、単価が通常と同じとはいえ、1 回のリクエストで数十万トークンを消費すればコストは相応に跳ね上がります。エージェントが自律的にコンテキストを膨らませてしまわないよう、呼び出し側の運用管理はこれまで以上に重要になりそうです。
情報源 (1)
- claude.com(新しいタブで開きます)原文claude.com