Amazon、新世代AIモデル「Nova」を発表:同等クラス比でコスト75%削減
Amazonは新世代基盤モデル群「Amazon Nova」を発表した。超低遅延テキストモデルMicro、マルチモーダルのLiteとPro、画像・動画生成モデルで構成される。Amazon Bedrock経由で提供され、同等クラス最高峰モデルと比べ75%以上の低価格化を実現した。
Amazon Bedrock で他社の有力モデルを幅広く揃えてきた AWS が、ついに自社製フロンティアモデルの切り札を切りました。
米 Amazon は 12 月 3 日、新世代の基盤モデルファミリー「Amazon Nova」を発表しました。テキスト専用の軽量モデルから画像・動画のマルチモーダル、さらには動画生成まで、合計 6 つのモデルを一気に展開します。
最大 75% 安く、同クラス最速を謳うラインナップ
Amazon Nova は全モデルが Amazon Bedrock 経由で提供され、200 以上の言語に対応します。
理解・推論向けには、超低遅延でテキストを処理する Nova Micro、画像や動画を素早く解析する低コストな Nova Lite、精度と速度のバランスに優れた Nova Pro が用意されました。さらに複雑な推論を担い、小型モデルへの知識蒸留にも使える最上位モデル Nova Premier は、2025 年第 1 四半期の提供を予定しています。
クリエイティブ領域向けには、画像生成モデル Nova Canvas に加え、1 枚の画像とカメラワークの指示からショート動画を生成する Nova Reel も登場しました。
最大の強みはコストパフォーマンスです。Amazon によれば、Nova Micro、Lite、Pro の 3 つは、Bedrock 上で同等クラスの最高性能モデルと比較して少なくとも 75% 安く、処理速度も同クラスで最速を記録しているといいます。
社内 1,000 件の AI 開発から生まれた実用設計
Amazon で AGI 担当シニアバイスプレジデントを務める Rohit Prasad 氏によると、同社内ではすでに約 1,000 件の生成 AI アプリケーションが稼働しています。Nova は、現場の開発者が直面してきた遅延やコスト、カスタマイズの壁を解消するために作られました。
Bedrock のナレッジベース連携による RAG や、自社データを用いたファインチューニング、複数 API を自律的に叩くエージェント機能にあらかじめ最適化されています。
広告部門での活用も始まっており、これらの生成ツールを利用したブランドは、宣伝対象の製品数が平均 5 倍に増え、製品あたりの画像数も 2 倍に拡大したと報告されています。
なぜ重要か
私たちは、今回の発表がクラウド大手による AI 競争の力点を「最高性能の誇示」から「日常運用のコスト破壊」へとシフトさせたと考えています。同等の性能を持つ競合モデルより 75% 安く、しかも自社クラウド内で完結するとなれば、企業が外部 API に逃げる理由は大きく減ります。
ユーザーや開発者にとっての価値は極めて現実的です。これまでコストがネックで踏み切れなかった長尺動画の分析や、トークンを大量に消費する自律型エージェントの構築が、一気に現実的な予算内に収まります。すでに AWS 環境を基盤にしている企業なら、高頻度な処理を今すぐ Nova Lite や Nova Pro に置き換えて検証する価値は十分にあります。
一方で、最上位の Nova Premier が 2025 年初頭まで使えない点は留意すべきです。最難関のコーディングや複雑な論理展開では、依然として Anthropic などの外部モデルに頼る必要があります。それでも、業務の大半を占める日常的な処理を圧倒的な安さで囲い込む Amazon の戦略は、極めて手堅く強力です。
情報源 (1)
- aboutamazon.com(新しいタブで開きます)原文aboutamazon.com
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