アマゾンCEOがChatGPTに言及:「興奮しているが、我々も長年同様の技術を開発してきた」
アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは、ChatGPTのような生成AIに期待を示しつつ、自社も長年大規模な独自モデルを開発してきたと語った。マイクロソフトに先行されているとの懸念に対し、アマゾンはAlexaの対話機能強化やスタートアップとの連携を進めているという。

マイクロソフトとOpenAIが生成AIの話題を独占するなか、アマゾンのトップがついに口を開きました。
アマゾンのアンディ・ジャシーCEOはFinancial Timesのインタビューで、生成AIの可能性は非常に刺激的だと認めたうえで、自社のような技術企業は長年にわたり同様の大規模生成モデルを開発してきたと強調しました。
これは、生成AI分野でアマゾンが競合に後れを取っているのではないかという、投資家や市場の不安を打ち消す狙いがあります。
投資家からの危機感とスタートアップ連携
アマゾンには2014年登場のAlexaや、コード生成ツールCodeWhispererなど、すでに基盤となるAI技術が存在します。
しかし、初期投資家であるマドローナ・ベンチャー・グループのマット・マクルウェイン氏は、マイクロソフトが先行して圧倒的な注目を集めていると指摘し、アマゾンにも明確な戦略的対応が必要だと苦言を呈しました。
これに対しジャシー氏は、外部の小規模な企業との連携を模索していると明かしました。その代表例がOpenAIのライバルであるStability AIで、同社はモデルの訓練や構築を行う優先クラウドパートナーとしてAWSを選定しています。
会話型へ進化を図るAlexaと、ChatGPTを使う社内事情
一般ユーザー向けではAlexaの刷新が進められています。デバイス・サービス担当シニアバイスプレジデントのデイビッド・リンプ氏はTimes of Londonに対し、現在のAlexaは質問に答えるだけの単発的なやり取りにとどまっているため、より自然な会話ができるよう改良中だと語りました。
リンプ氏はChatGPTを良きライバルと評価しつつも、リアルタイムの知識や個性、記憶の面ではAlexaに分があると主張します。たとえばワールドカップの試合結果のような最新情報はAlexaなら答えられますが、当時のChatGPTにはできません。
一方で、アマゾン社内ではChatGPTの利用をめぐる混乱も起きていました。Insiderの報道によると、社内Slackで業務利用の可否を尋ねる声が上がり、一部のエンジニアはコード改善のアシスタントとして活用していたといいます。
これを受けて社内弁護士は、生成された回答にアマゾンの内部データと酷似した事例があったとして、機密情報を入力しないよう警告を発しました。同時に、アマゾン自身も同様の技術を幅広く開発中であると社内に伝えています。
なぜ重要か
ジャシーCEOの発言は、巨大テック企業が直面している焦りと防衛姿勢を浮き彫りにしています。「以前から取り組んでいた」という主張は事実だとしても、世間の注目と先行者利益をマイクロソフトに奪われた影響は小さくありません。
何億台もの端末に普及したAlexaを対話型AIへ進化させる方針は妥当ですが、単なる雑談のために莫大な推論コストをどう回収するのかという課題が残ります。
一方で、B2Bのクラウド領域におけるアマゾンの立ち回りは現実的です。自社単独で勝負するだけでなく、Stability AIのような有力スタートアップをAWSへ抱き込むことで、AIインフラの覇権を死守しようとしています。開発者にとっては今後、AWS上での選択肢がどう広がるかが注視すべきポイントです。
情報源 (1)
- businessinsider.com(新しいタブで開きます)原文businessinsider.com
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