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業界動向

AI企業に肖像権を売却した俳優たちに後悔の声:偽広告や宣伝に悪用

公開 拡散指数 47

SynthesiaなどのAI動画プラットフォームに顔や音声の権利を売却した俳優たちが、自身のデジタルクローンが怪しい健康食品の宣伝や政治プロパガンダに悪用される事態に頭を抱えている。契約に含まれる広範かつ撤回不能な条項が壁となり、削除要請も困難な状況だ。

AI企業に肖像権を売却した俳優たちに後悔の声:偽広告や宣伝に悪用
画像:japantimes.co.jp

ある日スマートフォンを開くと、自分が白衣を着て「レモンバームティーで痩せる」「氷風呂でニキビが治る」と語る怪しい健康食品の広告が流れてくる。韓国の俳優サイモン・リー氏にとって、それは悪夢ではなく現実に起きた出来事でした。

AIプラットフォームに自身の顔や声の権利を提供した俳優やモデルたちが、不本意なディープフェイクや怪しい詐欺広告、果ては政治宣伝に悪用され、深い後悔に直面しています。

グリーンスクリーンの前で半日過ごした代償

マーケティング向けAIプラットフォームにとって、人間の本物の表情や声は依然として完全生成AIよりもリアルであり、不可欠な素材です。英Synthesiaのアレクサンドル・ヴォイカ氏も、本物の人間が持つ表現力はAI単体の性能をなお上回っていると認めています。

制作自体は簡単で、グリーンスクリーンの前で半日ほどプロンプターを読み、いくつかの感情表現を演じるだけで完了します。報酬は契約期間や知名度に応じて数百から数千ユーロ程度です。

しかし、手軽な報酬の裏には重い代償がありました。ニューヨークの俳優アダム・コイ氏は2024年10月、1000ドルで1年間の権利をMCM社に譲渡した数か月後、自分のクローンが「未来から来た予言者」として災難を警告する動画に使われているのを家族に見つけられました。契約で禁止されていたのはポルノとタバコ、酒類への利用だけだったからです。

さらに深刻な例もあります。英国のモデル、コナー・イェイツ氏は2022年、困窮の末にSynthesiaと4600ユーロで3年契約を結びましたが、後に自身の顔がブルキナファソの軍事政権指導者イブラヒム・トラオレ氏の政治宣伝に利用されていたことを知りました。契約には全世界、無制限、撤回不可といった条項が盛り込まれており、本人の意思で動画を取り下げることはできません。

なぜ重要か

クリエイターや一般人にとって、目先のわずかな報酬と引き換えに生体特徴を売り渡すリスクは極めて高すぎます。一度ネット上に放たれたデジタル分身が詐欺やプロパガンダに使われてしまえば、個人の社会的信用は取り返しのつかない打撃を受けます。

契約条項に無制限かつ取り消し不能な許諾が含まれている場合、法的に動画を削除させることすら困難です。裁判所や法整備のスピードが技術の進化に追いついていない現状では、安易な権利譲渡は避けるべきだと私たちは考えます。

AI動画業界にとっても、これは看過できない信用の危機です。リアルな人間性を取り込んで手軽な動画作成ツールを提供するビジネスモデルは、悪用に対する厳格な監視が伴わなければ規制当局の介入を招くことになります。用途ごとの許諾や追跡機能が整備されない限り、プロの表現者がこの市場から手を引いていくのは避けられないでしょう。

情報源 (2)

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    japantimes.co.jp(新しいタブで開きます)原文japantimes.co.jp
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