Z.aiがフラグシップ「GLM-4.5」公開、推論・コーディング・自律エージェント性能を強化
Z.aiはフラグシップモデル「GLM-4.5」および軽量版「GLM-4.5-Air」を発表した。355Bパラメータ(アクティブ32B)のMoE構成を採用し、層の深さを優先した設計で論理推論や自律エージェント性能を向上させた。推論エンジンSGLangに初日から対応し、ツール呼び出し成功率は90.6%に達する。
オープンソースの大規模言語モデルがMoEの専門家(Expert)の数を増やす「幅の拡大」に走る中、Z.aiは真逆のアプローチを選びました。
Z.aiは新たなフラッグシップモデル「GLM-4.5」および軽量版「GLM-4.5-Air」を発表し、FP8量子化版とともに推論フレームワークSGLangでの即日サポートを開始しました。
規模としては、GLM-4.5が総パラメータ数355B(アクティブ32B)、GLM-4.5-Airが総パラメータ数106B(アクティブ12B)となっています。
幅よりも深さを選んだアーキテクチャ
DeepSeek-V3やKimi K2といった最近のモデルと比較して、GLM-4.5は「幅よりも深さ」を重視しています。専門家の数や隠れ層の次元を抑える代わりに層数を増やし、複雑な推論性能を引き上げる設計です。
隠れサイズ5120に対して96個のアテンションヘッドを配置しており、これは通常設計の約2.5倍にあたります。さらにMuonオプティマイザの採用や、投機的デコーディングを可能にするMTP(Multi-Token Prediction)ヘッドを備えています。
推論、コーディング、エージェント性能を網羅する12のベンチマークにおいて、GLM-4.5はOpenAIやAnthropicなどの主要モデルを含む比較で総合3位、Air版は6位に位置付けています。
特に強みを見せているのが自律エージェント領域です。ツールの呼び出し成功率は90.6パーセントに達し、BrowseCompでは26.4パーセントを記録してClaude 4 Opusを上回りました。SWE-bench Verifiedでも64.2を記録し、直接対決ではKimi K2に対して53.9パーセント、Qwen3-Coderに対して80.8パーセントの勝率を示したとされています。
なぜ重要か
自社でコーディングアシスタントや業務自動化エージェントを構築したい開発者にとって、GLM-4.5は今すぐ試す価値がある選択肢です。
これまでオープンソースモデルでエージェントを組む際、複数ターンの関数呼び出しで挙動が崩れる点が大きな壁でした。128kのコンテキストと高いツール呼び出し精度、さらにSGLangでの最適化手順が初日から揃っているため、導入のハードルは大幅に下がります。
業界全体で見れば、アクティブパラメータを32Bや12Bに抑えながら難度の高い推論を成立させた点は非常に合理的です。計算資源に制約があるオンプレミスやプライベートクラウド環境において、商用プロプライエタリAPIに依存しない強力な代替手段となり得ます。
ただし、モデルを深くする設計は、ハードウェア間の通信や逐次的な生成遅延に影響を受けやすい側面があります。ベンチマーク上の高い勝率が、日々の開発現場における泥臭いコード修正や実務のWebタスクでどこまで再現されるか、実運用での検証が注目されます。
情報源 (2)
- z.ai(新しいタブで開きます)原文z.ai
- lmsys.org(新しいタブで開きます)報道lmsys.org