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業界動向

xMEMSが厚さ1mmの超小型冷却チップを発表、スマホのAI発熱対策に

公開 拡散指数 47

xMEMS Labs は超薄型デバイス向けのアクティブ冷却チップ「XMC-2400」を発表した。厚さ 1mm、重さ 150mg 未満のシリコン製マイクロファンで、毎秒 39 立方 cm の送風が可能。オンデバイス AI によるスマホやタブレットの熱問題を解消する狙いで、2025 年第 1 四半期に出荷予定だ。

画像:xmems.com

いま各スマートフォンメーカーは、競うように端末上での AI 処理を強化していますが、避けて通れないのが発熱の壁です。ローカルで画像生成や文章要約を実行すると、チップはすぐに高温になり、サーマルスロットリングで性能が落とされてしまいます。

分厚いノート PC なら冷却ファンを回せば済みますが、内部の隙間が 1mm もない薄型スマホでは、機械式ファンを積むのは現実的ではありませんでした。これまでメーカーは、ベイパーチャンバーやグラファイトシートなどの受動的な放熱だけに頼ってきました。

こうしたなか、MEMS スピーカーを手がける xMEMS Labs が 8 月 20 日、まったく新しい冷却アプローチを発表しました。世界初の全シリコン製アクティブ微小冷却ファンチップ「XMC-2400 µCooling」です。

厚さわずか 1mm、シリコンチップが風を起こす

XMC-2400 の最大の特徴は、圧倒的な薄さと軽さです。サイズは 9.26 x 7.6 x 1.08 mm で、重さは 150mg にも満たないレベルに収まっています。

xMEMS によると、従来の非シリコン系アクティブ冷却機構と比べて、サイズと重量を 96% も削減したといいます。

極小サイズでありながら、排気性能も実用的です。チップ単体で 1,000Pa の背圧下において、毎秒最大 39 立方 cm の空気を送り出すことができます。

さらに、圧電 MEMS 技術を用いたソリッドステート構造のため、一般的なモーターファンのような回転ノイズや振動が一切ありません。

半導体プロセスで製造されるため品質のばらつきが少なく、IP58 相当の防塵・防水性能も備えており、持ち運ぶモバイル端末への組み込みに適しています。

この技術は、同社のワイヤレスイヤホン向け微小スピーカー「Cypress」と同じ圧電製造ラインを流用しています。2024 年 9 月に深センと台北のイベントで顧客向けデモを行い、2025 年第 1 四半期にサンプル出荷を開始する予定です。

なぜ重要か

オンデバイス AI の普及によって、モバイル端末の熱設計は限界を迎えています。短時間のゲームなら多少の性能低下で我慢できても、リアルタイムの AI 処理でスロットリングが起きると、使い勝手が致命的に損なわれます。

この技術が実用化されれば、ユーザーは分厚いゲーミング端末を買わなくても、薄型スマホやタブレットで持続的な AI パフォーマンスを享受できるようになります。

業界全体にとっても、長年続いてきた「スマホはパッシブ冷却のみ」という固定観念を壊すきっかけになります。折りたたみスマートフォンや AR グラスのように、放熱スペースが極端に限られる次世代デバイスの設計自由度が大きく広がるはずです。

xMEMS のアプローチは非常にスマートだと感じます。全く未知の新技術をゼロから開発するのではなく、自社がスピーカー向けに確立した MEMS 振動機構を空気ポンプとして転用しており、実用化のハードルをうまく下げています。

課題があるとすれば、筐体側のエアフロー設計です。チップ自体が風を送れても、スマートフォンの薄いボディに吸気口と排気口をどう設けるか、デザインと防水性を両立できるかが今後の焦点になりそうです。

情報源 (2)

  1. [1]
    venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com
  2. [2]

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