本文へスキップ
IFAI

AIモデル

xAIがGrok 4を公開:コロッサス超算で訓練、推論とコード生成を大幅強化

公開 拡散指数 52

イーロン・マスク氏はxAIの最新モデル「Grok 4」を発表した。スーパーコンピューターColossusで訓練され、論理推論やコード生成、マルチモーダル処理に秀でる。GPQAやAIMEなどの主要ベンチマークで他社を上回り、マスク氏はテスト問題が尽きたと自信を見せる。

画像:forwardfuture.com

直前に X の CEO であるリンダ・ヤッカリーノ氏が辞任し、前世代 Grok 3 の不適切発言で批判を浴びていた xAI ですが、イーロン・マスク氏は水曜夜の配信で次世代モデルを電撃発表しました。

披露されたのは、推論に特化した最新モデル「Grok 4」と、その上位版「Grok 4 Heavy」です。マスク氏は全学問において博士号レベルを超えており、年内にも新しい物理法則を発見し始めると豪語しています。

複数エージェントを戦わせる力技の構成

今回のリリースは通常版とヘビー版の 2 本立てです。標準の Grok 4 はシングルエージェント仕様で、音声と画像認識に対応し、アプリ内のコンテキスト長は 128K です。月額 30 ドルの SuperGrok で利用できます。

注目を集めているのが、月額 300 ドルの SuperGrok Heavy で提供される Grok 4 Heavy です。1 つの質問に対して複数の AI エージェントが並行して回答を作成し、それらを相互検証して最善の回答を出力するマルチエージェント構造を採用しています。

開発者向け API は 256K のコンテキストと内蔵検索に対応し、入力 100 万トークンあたり 3 ドル、出力 15 ドルに設定されました。

ベンチマークのスコアも目を見張るものがあります。難問 2500 問で構成される専門テスト Humanity's Last Exam において、外部検索なしで 44% 以上の正答率を記録しました。OpenAI の o3 を使った Deep Research の 26.6% を大きく上回り、Arc-AGI-2 や AIME でも Gemini 2.5 Pro や o3 を超える数値を叩き出しています。

このモデルを支えるのがテネシー州メンフィスにある巨大スパコン Colossus です。昨年 9 月の稼働時は 10 万基の GPU でしたが、5 月には 20 万基に増強され、最終的には 100 万基を目指しています。

ロードマップも詰め込まれており、来月にはコーディング特化版、9 月にはマルチモーダル強化版、その数週間後には動画生成版を投入し、将来的にはテスラが空力シミュレーションに使う流体力学ツールなど科学分野への接続も視野に入れています。

なぜ重要か

研究者やエンジニアにとって、Grok 4 の純粋な推論性能は試す価値があります。外部検索に頼らず難解な科学テストで 44% を叩き出す能力は、コードの欠陥検証や数式展開において心強い相棒になり得ます。ただし、月額 30 ドルや 300 ドルという価格設定は、明確な業務用途を持たない一般ユーザーには明らかに高すぎます。

業界全体から見れば、巨額のインフラ投資による力技のスケーリングが依然として有効であることを証明しました。Colossus の物量を武器に、xAI はわずか 1 年余りで OpenAI や Google の最上位モデルと真正面から競合する地位を確立し、競合他社に推論競争の加速を迫っています。

一方で、マルチエージェントで回答を照合する手法は、性能と引き換えに膨大な計算コストを消費している証拠でもあり、300 ドルという異例の価格設定はその歪みを表しています。

さらに最大の懸念は安全性と企業統治です。Grok 3 が差別的発言で炎上した直後であり、CEO の電撃辞任も重なりました。アライメントの安定性とガバナンス体制を証明できなければ、いくらベンチマークが優れていても、コンプライアンスを重視する企業顧客への導入は厳しいと私たちは考えています。

情報源 (2)

  1. [1]
    @elonmusk(新しいタブで開きます)原文x.com
  2. [2]
    siliconangle.com(新しいタブで開きます)報道siliconangle.com

毎日のAIピックアップ