xAI、画像・動画生成「Grok Imagine」公開 音声付き15秒動画や成人向けモードも
米xAIは「SuperGrok」およびXの「Premium+」契約者向けに画像・動画生成ツール「Grok Imagine」の提供を開始した。テキストから画像を生成し、音声を伴う最長15秒の動画を作成できる。一部の露出を許容する「スパイシーモード」も備えるが、過度な描写や著名人生成には制限がかかる。

大手AI企業がコンテンツ生成のセーフティガードを固めるなか、イーロン・マスク率いるxAIは真逆の路線を突き進んでいます。
xAIは、iOS版Grokアプリのバージョン1.1.33へのアップデートを通じて、画像および動画生成機能「Grok Imagine」をSuperGrokおよびPremium+の加入者向けに正式リリースしました。テキストや画像のプロンプトから、ネイティブ音声付きの最大15秒の動画を数秒で生成できます。
制限を排したAIを目指すマスク氏の方針通り、この新機能には成人向けコンテンツの生成を認める「スパイシーモード」が搭載されている点が大きな波紋を呼んでいます。
競合より速い動画生成と緩和された規制
マスク氏はX上で、Grok Imagineは競合ツールが静止画を1枚生成する時間の4分の1から2分の1で動画を作り出せるとアピールしています。テキストを入力すると数秒で画像が仕上がり、画面をスクロールするだけで次々と新しい画像が自動生成され、それをワンタップで動きのある動画へ変換できます。
注目を集めているスパイシーモードは、元xAI社員の投稿を発端にCNBCが報じていた機能です。TechCrunchの検証によると、女性の部分的なセミヌード画像などは実際に生成できたものの、過激すぎるプロンプトに対してはモデレーションが作動し、ぼかし処理が入る制限も確認されています。
また、ドナルド・トランプ氏やテイラー・スウィフト氏といった有名人の生成も可能ですが、「妊娠したトランプ」といった極端な描写は拒否され、赤ちゃんを抱く画像に差し替えられるなどの制約が設けられています。画質面では、人物の肌が蝋人形のように見えたりアニメ調に寄ったりと不気味の谷を抜け出せておらず、GoogleのVeo 3のような映画的クオリティにはまだ届いていません。
なぜ重要か
ユーザーの視点で見ると、Grok ImagineはSNS向けのミームやショートクリップを量産したいクリエイターにとって、圧倒的な生成速度と表現の自由度の高さという明確なメリットがあります。一方で、商用利用や写実的な映像制作を求める層にとっては、人物表現の不自然さが目立つため、現時点ではあくまでアイデア出しや娯楽用途にとどまります。
業界全体への影響としては、OpenAIやGoogleがコンプライアンスを重視して厳格なフィルターを設けるなか、xAIは「規制の緩さ」を最大の差別化要因として有料会員獲得の武器に仕立て上げています。他社が踏み込めない領域を攻める手法は、短期的には熱心なファンを惹きつけるでしょう。
しかし、このやり方には相応のリスクが伴うと私たちは考えます。実在の著名人を扱え、ネイティブ音声まで付与できる高速動画生成ツールでNSFWコンテンツの敷居を下げれば、ディープフェイクや権利侵害の問題に直面するのは時間の問題です。マスク氏は日々改善すると述べていますが、技術的な向上以上に、炎上や法規制への対応が最大の試練になりそうです。
情報源 (2)
- @chaitualuru(新しいタブで開きます)原文x.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com