X、Grokによるトレンド要約機能「Stories」をPremium向けに提供開始
X は有料会員向けに Grok を使った新機能「Stories」の提供を開始した。「おすすめ」タブのトレンド話題について、プラットフォーム上の投稿をもとに AI が要約を表示する。元記事ではなくユーザーの反応や会話をベースに要約を生成する仕様だ。
Xでトレンドの背景を知ろうとすると、これまでは無数のリプライやネタ投稿を延々とスクロールして推測するしかありませんでした。
そこでXは、イーロン・マスク氏率いるxAIのチャットボット「Grok」を活用した新機能「Stories」の提供を開始しました。
この機能は、検索タブの「おすすめ(For You)」に並ぶパーソナライズされたトレンドトピックに対し、Grokが生成した要約を表示するものです。対象は月額8ドル(ウェブ版)からの有料プラン「X Premium」加入者となっています。
記事ではなく「ユーザーの声」を要約する
トレンドの要約自体は新しい試みではありません。Twitter時代の2020年にもトレンドに解説や代表的なツイートを固定する施策がありましたが、人手による作業だったため一部のトレンドに限られていました。
今回のGrokによるStoriesは、おすすめ欄の主要なニュースすべてをカバーします。たとえばAIエンジニアの燃え尽きに関する話題では、企業が課題解決より投資家の満足を優先している実態をGrokがまとめ、下部には「Grokは間違いを犯す可能性があるため出力を確認してください」という注意書きが添えられています。
驚くべきはその仕組みです。ジャーナリストのアレックス・カントロウィッツ氏がマスク氏への取材をもとに明かしたところによると、Grokはニュース記事の本文を読まずに要約を作成しています。
つまり、参照しているのは外部メディアの報道ではなく、X上で交わされているユーザーの投稿そのものです。事実関係そのものではなく、プラットフォーム上の反応や意見がまとめの核になっています。
現在、OpenAIがフィナンシャル・タイムズやル・モンドなどの報道機関とライセンス契約を結ぶ一方で、Xは提携を結ぶことなく、自社内の会話データだけでニュース体験を完結させようとしています。
なぜ重要か
私たちは、この手法がプラットフォームの強みを巧みに生かしている反面、重大な情報精度の問題をはらんでいると考えています。
ビジネスの観点から見れば、マスク氏のやり方は極めて合理的です。他社が高額なライセンス料を払ってメディアと提携するなか、Xはユーザーの投稿データを活用することで追加コストをかけずに独自コンテンツを生み出し、有料会員の加入動機を増やしました。今ネット上で何がどう騒がれているのかを素早く把握したいユーザーにとって、この要約は手軽なツールになります。
しかし、ニュースそのものではなく「ニュースに対するユーザーの反応」を要約している点は大きな懸念材料です。SNSの言説には誤解や感情論、未確認情報が混ざりやすいため、Grokが誤った世論の解釈をあたかも事実であるかのように要約してしまうリスクを排除できません。
また、メディア側から見れば、自社の記事が読まれないままトラフィックを奪われる構図がさらに強まります。参照元の信頼できる報道が細ってしまえば、最終的にGrokが要約するための質の高い会話そのものが失われかねません。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
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