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業界動向

米政府、AIサイバー防衛を強化する新大統領令に署名 強制許認可は禁止

公開 拡散指数 44

米トランプ大統領がAIサイバーセキュリティ強化を命じる行政命令に署名した。連邦機関に対し30日以内の防衛体制強化を求めたほか、公開前のフロンティアモデルを任意で機密審査に出せる枠組みを設置。一方で、AIモデルの開発や公開を縛る強制的な事前承認やライセンス制は明確に禁止された。

米政府、AIサイバー防衛を強化する新大統領令に署名 強制許認可は禁止
画像:whitehouse.gov

米政府がAIの安全性について語る際、開発者が警戒するのは大抵、規制の強化や煩雑な認可手続きでした。しかし今回打ち出された方針は、その流れを大きく変えるものです。

トランプ大統領は6月2日、大統領令14409号に署名しました。連邦機関のサイバー防衛をAIで強化することを義務付ける一方で、AI開発企業に対する事前の強制許認可制度を明確に禁じています。

主要な指示の期限は30日から60日以内と定められており、異例のスピード感が求められています。

重要インフラの防衛にAIを配備

大統領令に基づき、国土安全保障省のサイバー・インフラ安全局(CISA)は30日以内に拘束力のある運用指令を発令します。連邦民生システムの防衛を優先するとともに、AIを活用した防御ツールを拡充します。

このツールやフロンティアモデルの恩恵は、地方自治体だけでなく、地域のコミュニティ銀行や地方病院といった脆弱な重要インフラの運用者にも提供される計画です。

さらに財務省はNSAやCISAと連携し、民間企業が任意で参加できるサイバーセキュリティ・クリアリングハウスを30日以内に立ち上げます。ソフトウェアの脆弱性を共同でスキャンし、パッチの適用を急ぐ狙いです。

AIエージェントなどを悪用した不正アクセスに対しては、司法省が優先的に刑事責任を追及する方針も明記されました。

30日前の任意レビューと「許認可の禁止」

開発企業にとって最も直接的な影響があるのは、最先端の「対象フロンティアモデル」に関する枠組みです。

国家安全保障局(NSA)などは60日以内に機密ベンチマークを策定し、対象となるモデルの基準を決めます。開発者は任意で政府と枠組みを結び、信頼できるパートナーへ公開する最大30日前に政府へ機密アクセスを提供できます。

ここで極めて重要なのは、大統領令が政府による強制的な事前審査やライセンス制、認可の義務化をはっきりと禁止している点です。

規制によって開発を縛るのではなく、機密保持契約を結んだ上での任意の早期アクセスにとどめています。

なぜ重要か

開発者やスタートアップにとって、モデル公開のたびに許可証を待つという最悪のシナリオは回避されました。コンプライアンス対応で開発速度が落ちるリスクが低く抑えられたことは大きな朗報と言えます。

業界全体で見れば、AIを抑制対象のリスクではなく、即戦力のサイバー防衛兵器として扱う方針への転換が明確になりました。地方のインフラ事業者にまで最先端ツールの利用を開放しようとするアプローチは理に適っています。

今回のやり方は、テック企業の反発を避けつつ最新技術をいち早く把握できる点で非常に巧みだと考えられます。ただ、すべてが自願(任意)ベースである点にはリスクも潜んでいます。熾烈な開発競争の中で企業が30日の猶予を嫌って提出を見送った場合、政府にはそれを止める法的な手立てが残されていないからです。

情報源 (1)

  1. [1]
    whitehouse.gov(新しいタブで開きます)原文whitehouse.gov

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