Rewind AIのその後:Metaに買収され終了、ドメインは無料AIツール集に
PC上の全記憶記録で話題を呼んだRewind AI(旧Limitless)は、2025年にMetaに買収され、同年12月19日にアプリおよびペンダント端末の全サービスを終了しました。現在rewind.aiドメインは第三者に引き継がれ、登録不要で使える400以上の無料AIツールハブとなっています。
2023年に生成AIブームを追っていた人なら、画面や音声をすべて記録して「完璧な記憶」を提供すると謳ったMacアプリ「Rewind」を覚えているはずです。
創業者によるXでの資金調達ポストが話題を呼び、a16zなどから多額の資金を集めたこの注目スタートアップですが、現在その公式サイトを訪れても、かつての面影はありません。
バイラルヒットからMetaによる買収、そして終了へ
公式サイトに掲載された年表によると、Rewind AIの歴史はMetaによる買収とサービスの幕引きという形で結末を迎えました。
2020年にDan Siroker氏らが設立した同社は、2022年11月にMac向けアプリをリリース。「ローカル保存でプライバシー重視」を掲げ、PC上の活動をタイムマシンのように振り返れる機能で人気を集めました。
2023年3月にはGPT-4を組み込んだ「Ask Rewind」を発表し、「自分専用のChatGPT」として世界中で話題を呼びます。同年後半には現実の会話を録音・文字起こしするウェアラブル端末「Rewind Pendant」を発表しました。
しかし2024年に社名を「Limitless」へと変更し、ペンダント端末とクラウドAIへと舵を切ったことで、当初のMacアプリは事実上のメンテナンスモードに入ります。
2025年、MetaがLimitlessを買収。チームはMetaに合流し、独立した製品群は整理されることになりました。そして2025年12月19日、アプリの録画・録音機能は完全に停止され、ダウンロードも停止。Metaはペンダントの販売を終了し、既存ユーザー向けサポートも2026年中に終了する予定です。
ドメインは400種類の無料ツール集に転身
サービス終了に伴い、かつての名物ドメインであるrewind.aiは第三者の手に渡りました。
現在このサイトを運営しているのは元のチームやMetaとは関係のない独立組織で、登録不要で使える400以上の無料AIツールを並べたポータルサイトとして再出発しています。
サイト上ではGPTやClaude、DeepSeekなど500以上のモデルを使ったチャットがログインなしで利用できるほか、画像生成、音声書き起こし、翻訳などの機能がまとめられ、各モデルのトークン単価を比較するカタログも提供されています。
なぜ重要か
日々のPC作業や会話を預けていた熱心なユーザーにとって、この結末はAIスタートアップを利用する際のリスクを浮き彫りにしました。
どれほど「プライバシー保護」や「生涯の記憶アシスタント」を掲げていても、大手に買収されればスタンドアローン製品は容赦なく停止され、専用ハードウェアは文鎮化します。
業界全体で見れば、Rewindは「ソフトウェアのアイデアからハードウェアの展開、そして大手への売却」というAIブーム初期の典型的なライフサイクルを辿りました。
Metaの狙いはペンダントの販売継続ではなく、常時録音やコンテキスト検索に長けた開発チームの獲得にあります。彼らの技術はMetaのスマートグラスなどの次世代デバイスに吸収されると見られます。先駆的なプロダクトが看板を下ろし、そのドメインが気軽な無料ツール集として再利用されている姿は、この業界の激しい移り変わりを象徴しています。
情報源 (2)
- rewind.ai(新しいタブで開きます)原文rewind.ai
- rewind.ai(新しいタブで開きます)報道rewind.ai