Viggle、既存動画のカメラワークや時間を自由に変更できる「Meridian」公開
Viggle AIは既存の動画や画像からカメラアングルや時間軸を自由に変更できるモデル「Meridian」を公開した。MiniMax-H3をベースに3D深度を推定し、被写体の周りを旋回したり静止させたりする「バレットタイム」演出を生成できる。LoRA形式で配布され、ComfyUIにも対応する。

Meridianは、Viggle AIが公開した幾何学誘導型のオープンソース動画生成ツールだ。手持ちの動画や1枚の静止画を入力するだけで、まったく新しいカメラアングルや再生速度で撮影し直したような映像を生成できる。被写体の周囲を360度回り込む旋回ショットや水平移動、さらには激しいアクションの途中で時間を止める「バレットタイム」演出も思い通りに作れる。
何ができるのか
24fpsの動画クリップや写真を1枚読み込ませれば、3次元空間上でカメラの軌道を自由に設計できる。
たとえばボルダリングやバスケットボールのダンクシュート映像で、踏み切る瞬間までは通常再生し、空中で一時停止させてカメラを35度回転させ、そこから着地に向けて再生を再開するといった編集が可能だ。
出力は24fpsで、16:9入力なら1344×768解像度に対応する。生成フレーム数は73フレームから243フレーム(約3〜10秒)のテイクに対応している。
どのような仕組みか
Meridianはカメラワークを勘で補完するのではなく、3D幾何学と拡散モデルを組み合わせている。
まず、VGGT-Omegaと呼ばれる幾何学モデルが元映像の深度とカメラ姿勢を推定し、色付きの3D点群データを構築する。
次に、指定した新しいカメラ軌道に沿って点群をレンダリングし、元映像に写っていなかった死角をグレーで残した下地映像を素早く作成する。この下地は軽量なため、ブラウザ上でリアルタイムにカメラワークを確認できる。
最後に、未修正のMiniMax-H3モデルが元映像とこの幾何学下地を参照し、グレーの欠損領域を違和感なく補完して高精細な映像に仕上げる。
モデルは本体を再配布するのではなく、それぞれ約2.5GiBの2つのLoRAアダプタ(幾何学解釈用のTeacherと4ステップ高速化用のTurbo)として提供されている。
動かし方と必要スペック
ローカルで動かすには、かなり強力なハードウェアが求められる。
ベースとなるMiniMax-H3の重みは約61.7GiBあり、公式の動作環境は大容量VRAMを搭載したCUDA対応GPUを前提としている。現時点では量子化やCPUオフロードには標準対応していないが、RTX 4090などの一般向けGPUで動かせるようコミュニティによる最適化が期待されている。
コードやLoRAの重み、サンプル素材はHugging Face上で公開されている。
実行はCLIスクリプトのほか、ポート8412で立ち上がるローカルWebスタジオでキーフレームを打ちながら調整することもできる。また、公式のComfyUIカスタムノードとワークフローも配布されている。なお、VGGT-Omegaには非商用ライセンスが適用されているため別途導入が必要だ。
なぜ重要か
映像クリエイターやCG制作者にとって、Meridianは撮影後のアングルミスを救う頼もしいやり直しツールになる。これまで大掛かりなマルチカメラリグが必須だったバレットタイムや複雑な旋回ショットが、スマホ1台の動画から後処理で作れるようになるからだ。
完全なプロンプト任せの生成AIとは異なり、点群という明確な幾何学的アンカーがあるため、被写体の形状が崩れにくくカメラの制御性も圧倒的に高い。
60GiB超という現在の要求スペックは一般ユーザーには高い壁だが、基本モデルを壊さずLoRAと点群レンダリングを組み合わせた設計は非常にスマートだ。今後量子化が進めば、映像制作やVFXの後工程における標準的なプラグインとして定着する可能性が高い。
情報源 (2)
- huggingface.co(新しいタブで開きます)原文huggingface.co
- youtube.com(新しいタブで開きます)報道youtube.com