米国、11月にグローバルAI安全サミットを開催へ:主要10カ国・地域が参加
米バイデン政権は水曜日、11月20〜21日にサンフランシスコで国際AI安全研究所ネットワークの初会合を開催すると発表した。日本、英国、EUなどの専門家が集まり、安全基準や共同研究を協議する。米議会での法制化が停滞する中、国際連携を通じて共通ルールの策定を急ぐ狙いがある。

米議会でのAI法制化が停滞するなか、バイデン政権が同盟国を巻き込んで独自の動きに出ました。
ジーナ・レモンド商務長官とアントニー・ブリンケン国務長官は、11月20日から21日にかけてサンフランシスコで、AI安全研究所国際ネットワークの初会合を開催します。
生成AIの安全で信頼できる開発に向け、各国の政府系研究機関が直接連携する枠組みを本格的に動かす狙いです。
10の国と地域から専門家が集結
この国際ネットワークは、5月に開催されたソウルAIサミットでレモンド商務長官が設立を発表していたものです。
参加するのは米国、オーストラリア、カナダ、欧州連合、フランス、日本、ケニア、韓国、シンガポール、英国の10の国と地域です。
今回の会合には、各国が設立したAI安全研究所や公的研究機関の実務レベルの技術専門家が出席します。
優先課題を絞り込み、知見の共有を進めることで、2月にパリで予定されているAIアクションサミットに向けた技術協力を前倒しで進める計画です。
レモンド氏は、志を同じくする同盟国と緊密に連携し、AIのルール作りの基盤に安全性と信頼性を据えたいと説明しています。
議会の足踏みを大統領令で突破する狙い
この会合の背景には、米国内の法整備の遅れがあります。
連邦議会におけるAI規制法案の審議は膠着状態が続いており、包括的な法律の成立は見通せていません。
そこでバイデン政権は行政権限をフル活用しています。2023年10月の大統領令により、国家安全保障などに重大なリスクを及ぼす可能性のあるモデルについて、公開前の安全性テスト結果の提出を開発企業に義務付けました。
さらに先週には商務省が、先端AI開発者やクラウド事業者に対し、サイバー攻撃への耐性などを証明する詳細な報告を義務付ける案を発表したばかりです。
サンフランシスコの会合は、こうした米国の管理手法を同盟国間で標準化しようとする動きと言えます。
なぜ重要か
先端AIを開発する企業やクラウドアライアンスにとって、この動きは見過ごせません。
各国のAI安全研究所が連携を深めることで、レッドチーミングや評価基準が国際的に共通化されれば、国ごとに異なる安全審査を受ける負担が軽減される可能性があります。
一方で、一般ユーザーにとっては、次世代モデルのリリース前に課されるテスト期間が長期化し、提供ペースが慎重になる要因になり得ます。
私たちは、議会の法制化を待たずに技術者主導の枠組みを先行させた点について、非常に実務的で手堅い進め方だと考えています。パリでのサミット前に議論の主導権を握る狙いも明確です。
しかし、この枠組みの土台が法律ではなく大統領令や省庁規則に依存している点は大きな懸念材料です。政権交代によって方針が一変するリスクを抱えており、同盟国や産業界がどこまで持続的な規範として信頼できるかは不透明なままです。
情報源 (2)
- reuters.com(新しいタブで開きます)原文reuters.com
- tech.yahoo.com(新しいタブで開きます)報道tech.yahoo.com