米著作権局、AI生成漫画の登録取消表示は「バグ」と説明:審査は継続中
The Registerの報道によると、米著作権局の新システム不具合により、Midjourneyで生成された漫画『Zarya Of The Dawn』の著作権登録が一時取消と誤表示された。同局は現在も登録は有効であり、人間が関与したAI支援作品に著作権を認めるべきかの調査を継続していると説明した。

画像生成AIで作られた作品の著作権は誰にあるのかという議論を巡り、米著作権局のシステムトラブルがクリエイターの間で大きな波紋を呼びました。
発端となったのは、画像生成ツール「Midjourney」を用いて制作されたグラフィックノベル『Zarya Of The Dawn』です。作者のKris Kashtanova氏が申請を行い、米著作権局は昨年9月に一度は登録を認めました。AIを活用した作品でも人間の著作者に権利が認められる前例になるとして、業界内外から注目を集めていました。
ところが今週月曜日、公開データベース上で同作の登録が突然「取り消し」と表示されました。以前から米著作権局が詳細な調査に入っており承認を取り消す可能性があると報じられていたため、調査が完了して失効したと受け止められました。しかしその後、著作権局の広報担当者は新システムの試行に伴う不具合(グリッチ)だったと説明し、登録は依然として有効であり、正式な判断はまだ下されていないことを明かしました。
2000枚の生成とPhotoshopでの編集作業
この問題の本質は、AIを使った創作過程において人間がどれだけ関与すれば著作権が認められるかという点にあります。
米著作権局はこれまで、AIそのものを著作者として認めることはできないと判断してきました。しかし、人間が指示を出し、出来上がった画像を編集・構成した場合に保護対象となるのかは、いまだ明確な線引きがありません。
Kashtanova氏によると、本作の制作には2週間を要し、生成した画像は2000枚以上に及びます。それらの画像をPhotoshopでレタッチし、Comic Life 3というソフトを使ってコマ割りやレイアウトを行いました。元ソフトウェアエンジニアである同氏は、自身の指示や編集がなければこの作品は成立しなかったと主張しています。
代理人を務めるTaylor English法律事務所のVan Lindberg弁護士も、AI支援作品を評価する初の機会として、著作権局が人間の関与の基準を明確に示すべきだと求めています。
なぜ重要か
今回の騒動はシステムの誤表示に過ぎませんでしたが、世界中のクリエイターやスタートアップがこの判断をいかに注視しているかを浮き彫りにしました。
商業利用を考えるクリエイターにとって、AI生成物を組み込んだ制作物に著作権が認められないとなれば、制作プロセス全体をAIに移行するリスクは極めて高くなります。苦労して構成した作品であっても、誰もが自由に複製できるパブリックドメイン扱いになってしまう懸念があるからです。
私たちは、この議論は「全面的な容認」か「完全な排除」かという極端な二者択一にはならないと見ています。プロンプトを1行入力して出力しただけの画像と、数千枚から選定しストーリーに合わせて加工・レイアウトした作品とでは、注ぎ込まれた創作的関与の度合いがまったく異なります。米著作権局がどの程度の編集や構成を人間の知的所有権と認めるのか、その判断基準が今後のデジタル制作の基準を左右することになります。
情報源 (2)
- archive.is(新しいタブで開きます)原文archive.is
- theregister.com(新しいタブで開きます)報道theregister.com
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