AI成人向け画像集団Unstable Diffusion、約6万ドルの資金調達後に追放
AIで成人向け画像を生成するコミュニティ「Unstable Diffusion」が、約6万ドルを集めた直後にKickstarterとPatreonから追放された。著作権侵害を訴えるアーティストらの抗議を受けたもので、KickstarterのCEOは人間のクリエイター側に立ち続けると表明した。

AIによる成人向けコンテンツの制作が注目を集める一方で、主流のクラウドファンディングプラットフォームはその受け入れに明確なノーを突きつけました。
AIを活用して成人向け画像(NSFW)を制作・共有するグループ「Unstable Diffusion」が、ソーシャルメディア上のユーザーからの抗議を受け、KickstarterとPatreonの両方からアカウントを停止されました。停止されるまでに、同グループは約6万ドルの資金を集めていました。
6万ドル集めた直後、相次ぐアカウント停止
Unstable Diffusionは、自らをAI生成の成人向けコンテンツの制作と共有に特化したオンラインコミュニティと位置づけています。同グループは、Stable DiffusionやDance Diffusionなどの普及によって広まったオープンソースの画像生成システムを利用しています。
公式サイトによると、彼らは大手AI企業が設ける制限ルールを拒否し、自由で表現力豊かなAIの利用を広めるための草の根活動として結成されたと主張しています。チャットアプリのDiscord上でも非常に多くのフォロワーを抱えていました。
同グループは先月Kickstarterでキャンペーンを立ち上げ、5万6000ドル以上を調達しました。しかし、著作権で保護された素材を盗用しているというユーザーからの抗議を受け、プロジェクトは強制終了となりました。さらに、毎月約2500ドルの寄付を集めていたPatreonのアカウントも閉鎖されました。
クリエイターの反発とプラットフォームの決断
KickstarterのCEOであるEverette Taylor氏は公式ブログで声明を発表しました。Taylor氏は、Kickstarterは常にクリエイティブな仕事と、その背後にいる生身の人間の側に立つと強調しています。
一方でTaylor氏は、この技術は極めて新しく、プラットフォーム側もすべての答えを持っているわけではないと認めました。現在の決定が将来も同じであるとは限らず、対話を続けていきたいと述べています。
この背景には、既存アーティストからのAIに対する強い反発があります。例えばStable Diffusionのユーザーは、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」や「マジック:ザ・ギャザリング」で知られるイラストレーターのGreg Rutkowski氏の作風を無断模倣しているとして激しい批判を浴びてきました。また、同じ週にはニューヨーク市教育局が不正行為への懸念からChatGPTの利用を禁止するなど、AI技術を巡る波紋は各所で広がっています。
なぜ重要か
この出来事は、生成AIビジネスが直面する「著作権」と「規約」の壁を浮き彫りにしています。
Kickstarterの判断は、既存のクリエイターコミュニティを失望させないための当然の防衛策だったと考えられます。人間のアーティストたちの信頼によって成り立っているプラットフォームが、反発の強いAI生成ポルノプロジェクトを擁護することは極めて困難です。CEOが将来の可能性に含みを持たせつつも即座に締め出しを選んだ点は、現在の世論に対する賢明なリスク管理と言えます。
業界への影響として、オープンソースモデルをベースにした際どい領域のビジネスは、従来の資金調達手段を断たれるリスクが明確になりました。どれだけコミュニティの熱量が高くても、主流の決済やファンディングのインフラが使えなければ持続は困難です。
クリエイターや開発者にとっては、学習データの権利関係が法的に整理されない限り、既存プラットフォーム上での商業展開には常にアカウント剥奪のリスクがつきまとうという、厳しい教訓となりました。
情報源 (1)
- nypost.com(新しいタブで開きます)原文nypost.com
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