Unitree、前後にLiDARを搭載した新型4足歩行ロボ「A2」を発表
Unitree Roboticsは新型4足歩行ロボット「A2」を発表した。前後に産業用LiDARを備えて死角を排除し、最大1mの段差を乗り越えられる走破性を持つ。重さ37kg、最高速度5m/sでホットスワップ対応バッテリーを搭載し、巡回点検や物流用途を見据える。
5900ドルの人型ロボット「R1」を発表してわずか1週間後、中国のUnitree Robotics(宇樹科技)が今度は新たな四足歩行ロボットを投入しました。
同社が今週発表したのは、産業向け四足歩行ロボットの最新モデル「Unitree A2」です。先月シリーズCラウンドを完了し、評価額が約17億ドルに達した同社は、A2を満を持して点検や物流、研究開発などの現場へ送り出します。
前後デュアルLiDARで死角を排除
A2における最大の進化は、環境認識能力の大幅な強化です。
従来の産業向けモデル「B2」はLiDARを1基、深度カメラ、高解像度光学カメラを備えていました。これに対しA2は、車体の前後にそれぞれ産業用LiDARを1基ずつ搭載。さらにHDカメラとフロントライトを組み合わせることで、死角のない360度の3D深度認識を実現しています。
これに深度検知と自律障害物回避を担うAIビジョンを組み合わせ、複雑な作業現場でも周囲の状況を的確に把握できるようにしました。
37kgへ軽量化、1メートルの段差をクリア
興味深いのは、スペックの方向性が前モデルから変化している点です。
前モデルのB2は本体重量が60kgあり、最高速度6m/s、最大120kgの静止荷重に対応する重量級マシンでした。一方のA2は、本体重量を37kgへと大幅に軽量化しています。最高速度は5m/s、最大静止荷重は100kgと一部の数値は控えめになりましたが、そのぶん機動性が大幅に向上しました。
最も顕著なのが段差の踏破能力です。B2の最大ステップ高は40cmでしたが、A2は一気に1メートルまで登れるようになりました。
歩行時の最大積載量は25kgで、この満載状態でも3時間または約12.5kmの連続歩行が可能です。荷物を載せない状態での航続距離は20kmに達します。バッテリーにはホットスワップ対応のデュアルスマートバッテリーを採用しており、電源を切らずに交換して稼働を継続できます。
この分野で先行するボストン・ダイナミクスの「Spot」は、最大積載量が14kg、最高速度が1.6m/sです。ハードウェアの数値上はA2が圧倒しているものの、自律走行ソフトウェアの完成度という点では依然としてSpotに強みがあるとされています。
なぜ重要か
私たちは、Unitreeのこの設計方針の転換を非常に合理的だと評価しています。
プラントや建設現場の点検において、ロボットが本当に求められているのは無駄な最高速度ではなく、障害物を確実に乗り越える踏破力です。自重を60kgから37kgに削りながら段差クリア能力を1メートルに引き上げたことは、配管や急な階段が入り組んだ現場での実用性を飛躍的に高めます。37kgであれば、万が一のスタック時にも人間が現場で回収できる現実的な重さです。
さらにホットスワップバッテリーの採用は、検証用のおもちゃではなくシフト勤務に耐えうる実務機として作られていることを示しています。
ただし懸念もあります。デュアルLiDARでハードウェア上の死角をなくしたとはいえ、Spotが長年かけて築いてきた現場での自律ナビゲーションの安定性やフェイルセーフのノウハウに、Unitreeのソフトウェアがどこまで迫れているかはまだ未知数です。スペック勝負の先にある運用の信頼性を証明できるかが、今後の普及の鍵を握ると言えます。
情報源 (1)
- therobotreport.com(新しいタブで開きます)原文therobotreport.com