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米トイザらス、OpenAI「Sora」で制作したブランド動画を公開

公開 拡散指数 38

トイザらスの親会社 WHP Global は、OpenAIの動画生成AI「Sora」を使用した初のブランド映像を公開した。制作陣によると、映像の80〜85%をSoraが生成し、約12人のクリエイターがVFXで修正を加えたという。商業広告におけるAI活用の実態を示す事例となった。

米トイザらス、OpenAI「Sora」で制作したブランド動画を公開
画像:theverge.com

2018年に経営破綻し、全米800店舗の閉鎖に追い込まれた玩具量販店トイザらス(Toys “R” Us)。現在はブランド管理会社WHP Globalのもとでライセンス展開を続ける同ブランドが、突如としてAI業界と広告業界の注目を集めました。

WHP Globalは、制作会社Native Foreignと組み、OpenAIの未公開動画生成AI「Sora」を使って制作した初のブランド動画を公開しました。フランスで開催された「カンヌライオンズ2024」で広告業界の重役向けに初公開され、現在は公式ウェブサイトで公開されています。

「Sora製」を支えた10数人のVFX部隊

創業者のチャールズ・ラザラスとキリンのマスコット「ジェフリー」の出会いを描いたこの映像ですが、ボタン一つでAIが全編を作ったわけではありません。制作には約10数人のクリエイターが動員され、伝統的なポストプロダクション工程が組み込まれていました。

Native ForeignのクリエイティブディレクターであるNik Kleverov氏は、X(旧Twitter)上で「Soraが担ったのは全体の80〜85%程度」と明かし、残りはVFXによる手作業の修正で仕上げたと投稿しました。なお、同氏はこの制作舞台裏に関する投稿をメディア公開後に削除しています。

さらに、劇中に登場する自転車修理店のシーンは、同社が3月に公開していた既存のSora生成クリップを再利用・補正したものであることも判明しました。完全自動生成というよりは、Soraをアセット生成ツールとして使い、人間が修正を施すワークフローです。

ARにすがった過去と、Soraに賭ける現在

トイザらスが話題の先端テクノロジーに飛びつくのは、これが初めてではありません。2017年の破産申請直前にも、来店促進を狙ってARアプリを鳴り物入りでリリースしましたが、経営再建には至りませんでした。

現在ブランドを保有するWHP Globalは、百貨店メイシーズ(Macy's)内の小規模な売り場展開に加え、2024年中に最大24店舗の路面店や空港、クルーズ船内への出店を計画しています。OpenAIがハリウッドへの売り込みを続けるなか、著作権や学習データ元への懸念から二の足を踏む大手映画会社を尻目に、再起を図るリテールブランドが真っ先に飛びついた形です。

なぜ重要か

クリエイター視点では、動画生成AIの実務的な現在地が明確になりました。80〜85%の工程をAIが圧縮してくれるのは驚異的な効率化ですが、商業クオリティに耐えうるものにするには、破綻したディテールを消し込み、トーンを整える人間のVFXスキルが不可欠です。AIだけで完結する時代はまだ先であり、現段階では優秀なアシスタントツールと捉えるのが妥当でしょう。

業界全体から見れば、動画生成AIのマネタイズがハリウッドではなく広告分野から先行する流れを裏付けました。権利関係に極めて敏感な映画業界に比べ、話題性とスピード感を重視するブランドプロモーションはAIの実験場として最適です。

トイザらスの施策は、費用対効果の高いPRとして非常に巧みでした。カンヌの場で「世界初」の看板を掲げ、世界中のメディア露出を獲得しています。ただし、技術の新奇性とリテールビジネスの実態は別問題です。かつてARが店舗の衰退を止められなかったのと同様に、Soraによる話題作りが実店舗への集客やビジネスモデルの根本的な改善につながるかは慎重に見極める必要があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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