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米タイム誌、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」専用のAIチャットボットを公開

公開 拡散指数 44

木曜日、TimeはScale AIと共同開発したAIチャットボットを発表した。2024年の「今年の人」特集に合わせて導入され、記事に関する質問への回答、要約、音声再生、中国語など多言語への翻訳に対応する。同社は読者の滞在時間を伸ばす狙いで、2025年初頭にはサイト全体への展開を計画している。

米タイム誌、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」専用のAIチャットボットを公開
画像:aws.amazon.com

米Time誌は木曜日、毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に次期大統領のドナルド・トランプ氏を選出したと発表しました。同時に、読者がその記事について対話形式で質問できる新しいAIチャットボットを公開しました。

このチャットボットはトランプ氏に関する質問に答えるだけでなく、過去3年の選出者であるテイラー・スウィフト氏、ウォロディミル・ゼレンスキー氏、イーロン・マスク氏に関する質問にも対応できるように準備されています。

記事と対話する新しい読書体験

読者はチャットボットを使い、記事内容について質問したり、好みの長さに要約させたり、音声で読み上げさせたりできます。

さらに多言語翻訳にも対応しており、記事を日本語ではなく、標準中国語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語、ウクライナ語の6言語に翻訳することが可能です。

開発にあたり、Time誌はエンタープライズ向けAIツールを手がけるScale AIと提携しました。チャットボットは大規模言語モデルの一般的な知識に加え、Time誌の編集コンテンツや過去のアーカイブを元に回答を生成します。

Time誌の編集長であるサム・ジェイコブス氏は、このツールについて、読者の疑問に即座に答えつつ関連する別の自社記事へ誘導する、新しい形の回遊策だと語っています。

滞在時間を伸ばすための実験

現在、チャットボットに広告は表示されていません。Time誌の最高執行責任者(COO)であるマーク・ハワード氏によると、商業化を検討する前に、まずは読者の利用動向データをできる限り収集することが目的だといいます。

同氏が明かした成功の指標は「総エンゲージメント時間」です。通常の記事ページよりも長く読者をコンテンツに引き留められるかどうかが問われています。

Time誌は2023年にペイウォール(有料課金障壁)を撤廃し、パーソン・オブ・ザ・イヤーのような大型企画を軸にしたスポンサーシップ事業へとシフトしてきました。今後はこのチャット機能自体が協賛パッケージの一部になる可能性もあります。

Time誌はAI活用に極めて積極的で、6月にはOpenAIと複数年のコンテンツ利用許諾契約を締結したほか、AI検索のPerplexityや、フォックスが主導するブロックチェーン基盤Verifyとも提携しています。同社は2025年初頭、このチャットボットをサイト内の他の記事にも順次展開していく計画です。

なぜ重要か

読者にとっての価値は、長文の特集記事を自分の好みのスタイルで消化できる点にあります。要約を作らせたり、母国語に訳させたり、疑問点をその場で解決できるため、長大な英語記事を読み通すハードルが大幅に下がります。

出版メディア業界の視点では、多くのメディアがPV低下や生成AIによるトラフィック減少に悩む中、Time誌はAIを自社サイト内の滞在延長ツールとして組み込もうとしています。年間最大級のアクセスを集める特集を実験台に選んだことで、初日から世界中の読者の反応データを一気に集めることができます。

自社でゼロからモデルを開発せず、Scale AIと組んでリスクを抑えつつスピードを優先した判断は賢明だと考えられます。しかし、AIが記事をわかりやすく要約してしまうことで、丹念に取材された本文そのものが読まれなくなるリスクも孕んでいます。利便性の向上が本当にメディアへのロイヤルティや広告価値の向上につながるのか、今後のデータが注目されます。

情報源 (2)

  1. [1]
    axios.com(新しいタブで開きます)原文axios.com
  2. [2]

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