The SandboxがAI活用を模索:Scenarioと提携しメタバース制作を高速化
メタバースプラットフォームのThe SandboxはScenarioとの提携を発表し、生成AIによる制作支援計画を公開した。アバターのモーション生成や審査にAIを取り入れ、試作期間を数週間から数分へ短縮することを目指す。AI生成物もブロックチェーンでクリエイターの所有物となる点が特徴だ。

メタバース空間に新しい世界を作る際、最大の障壁となってきたのはアイデアの欠如ではなく、3Dモデリングやモーション付けにかかる膨大な作業時間でした。
メタバースプラットフォームのThe SandboxはAIゲーム制作ツールを提供するScenarioとの提携を発表しました。オープンモデルを活用した生成AIをエコシステムに組み込み、従来は数日から数週間かかっていたアセットのプロトタイプ制作を数分、あるいは数秒にまで短縮することを目指します。
アニメーションと素材制作をAIで効率化
The Sandboxはこれまで、無料のノーコードツールであるVoxEditやGame Makerを通じて制作の民主化を進めてきました。チームによればZ世代の75%以上がクリエイターになりたいと考えているものの、専門知識のないプレイヤーにとってゼロからの制作は依然として高いハードルです。
今回のScenarioとの連携により、クリエイターはテキストなどを通じてアセットの原型を素早く試作できるようになります。同社のAI導入はこれにとどまりません。すでにKinetixと提携し、AIを使ったアバターのリアルな感情表現や身体アニメーションの生成を進めています。
またコミュニティ管理の面でも、GGWPのAIソリューションを日々活用してゲーム内チャットの暴言や迷惑行為を検知し、安全性を維持しています。社内のクリエイティブチーム自身も、構想段階のインスピレーション獲得にAIツールを活用し始めている状況です。
特徴的なのは、AIで補助された制作物であってもプラットフォーム側が権利を奪わない点です。すべてのコンテンツはブロックチェーン技術を通じてクリエイター自身の所有物となり、NFTによる経済的インセンティブが維持されます。
なぜ重要か
The Sandboxによる生成AIの本格導入は、極めて現実的で賢い判断だと私たちは考えています。
メタバースブームが一服した現在、多くの仮想空間が直面しているのは、広大な土地が用意されているのに肝心のコンテンツが足りず過疎化してしまう問題です。手作業のボクセル制作だけに頼っていては、広大なワールドを埋めることはできません。試作段階を数分に短縮できれば、一般ユーザーも気軽にアイデアを形にできます。
Web3と生成AIの組み合わせという点でも理にかなっています。AI生成物は権利関係が曖昧になりがちですが、ブロックチェーンによる所有権の確定と結びつけることで、制作者の経済圏を壊さずに生産性だけを引き上げる道筋を示しています。
とはいえ、誰でも瞬時にアセットを作れるようになれば、質の低い量産型コンテンツでワールドが埋め尽くされる懸念もあります。手軽さと品質のバランスをどう保つかが、今後の成否を分けることになりそうです。
情報源 (1)
- medium.com(新しいタブで開きます)原文medium.com