本文へスキップ
IFAI

画像・動画生成

Sunoが新音楽モデル「v5」公開:ボーカルの質感向上、有料会員向けに先行提供

公開 拡散指数 39

Sunoは次世代音楽生成モデル「Suno v5」をリリースしました。よりリアルなボーカル表現と没入感のある音質、高度なクリエイティブコントロールを備えています。現在はProおよびPremierの有料会員向けに提供されています。

Sunoが新音楽モデル「v5」公開:ボーカルの質感向上、有料会員向けに先行提供
画像:theverge.com

AIで音楽を作ったことがある人なら、ギターやベース、ボーカルがひと塊に潰れた、あの独特の濁った音質を覚えているはずです。

Sunoは新モデル「Suno v5」をProおよびPremierプランの有料ユーザー向けにリリースしました。大手レコード会社からの著作権侵害訴訟を抱えながらも、同社は生成ツールの改良を急ピッチで進めています。

劇的に進化したミックスとアレンジ構成

前バージョンのv4.5+と比べると、オーディオのクリアさは一聴してわかるレベルで向上しています。ノイズが大幅に減少し、楽器ごとの分離感がはっきりしました。

米The Vergeによるデモ取材で、Sunoのプロダクトマネージャーであるヘンリー・フィップス氏は、フルート風シンセにかかったピンポンディレイのような音像定位を指摘しました。従来のDAWのようにエフェクトをインサートしているわけではなく、モデル自体がステレオ音場におけるディレイの響きを理解して再現しているといいます。

楽曲の構成力も大きく進化しました。以前のように単純なAメロ・サビのループにとどまらず、プリコーラスやポストコーラス、ビルドアップやブレイクダウンなどを巧みに挟み、1曲を通してドラマチックに展開します。

一方で、ボーカルには別の問題が生じています。音程が完璧に合っており、幾重にもハモりが重ねられ、常に豊かなリバーブがかかっているため、人間離れして聴こえてしまう点です。プロンプトで「下手に歌って」「リバーブをかけないで」と指示しても、モデルはそれを無視してきれいに仕上げてしまいます。

フィップス氏も、人間の生演奏が持つ特有の不完全さを再現することはまだできていないと認めています。実際、初期の宣伝文句にあった「人間のような感情の深み」という表現は公式サイトから消え、「自然で本物らしい」という控えめな言い回しに変更されました。

会得したポップス理論と、抜け落ちたローファイ感

ジャンルの理解力については、まだ得意不得意が目立ちます。

例えば「90年代初頭の4トラックカセットで録音したローファイ・インディーロック」を求めても、ペイヴメントのような粗野で脱力感のあるサウンドは出ず、アークティック・モンキーズのような整った現代風のギターロックが出力されてしまいます。70年代後半のクラウトロックを指定しても、80年代風のシンセポップに引っ張られがちです。

既存楽曲のリミックス機能では面白い結果も見せています。ユーザーが持ち込んだ自作曲のギターソロをシンセのリフレインへ再構成したり、白玉のパッドコードを軽快なアルペジオに変換したりと、編曲の引き出しは確実に増えています。

なぜ重要か

動画制作者やインディーゲーム開発者にとって、Suno v5は実用レベルに達した有力な選択肢です。楽器の音が混ざり合って潰れる問題が大きく改善されたため、DAWで細かくEQ補正をしなくても、そのままBGMやデモ音源として使えるクオリティに仕上がっています。

しかし、独自の歪みやローファイな質感を愛するインディーミュージシャンにとっては、現時点では使いどころに困るかもしれません。どれだけ指示を出しても、ラジオから流れるようなツルツルに研磨されたポップスへと矯正されてしまうからです。

業界全体で見れば、AI音楽生成の競争軸は「単にメロディを歌わせる」段階から、「ステレオ音場の再現や複雑な編曲理論の理解」へと完全にシフトしました。競合のUdioに対しても、ミックスの透明度という点で強いプレッシャーをかけることになります。

私たちが考えるに、Sunoの課題は「整えすぎること」それ自体にあります。音楽の感情や生々しさは、わずかなピッチの揺らぎやかすれた声、部屋の空気ノイズといった不完全さの中にこそ宿ります。すべての瑕疵をノイズとして排除し続ける限り、技術的にどれほど完璧であっても、どこか魂の抜けた無機質さから逃れるのは難しいように見えます。

情報源 (2)

  1. [1]
    @SunoMusic(新しいタブで開きます)原文x.com
  2. [2]
    theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com

毎日のAIピックアップ