StoryblocksがAI検索を導入:BERTとLLMを活用しDL率を最大60%向上
定額制素材サイトのStoryblocksがAIを活用した検索機能の刷新を発表しました。自社開発のBERTモデルやOpenAIのLLMを導入し、4時間ごとに新着素材を評価。AIによるサムネイル選定も行われ、初期テストではダウンロード率が最大60%向上しました。

動画編集で最も時間を浪費する作業といえば、イメージ通りのストック素材を探す作業です。検索窓にキーワードを何度も打ち直し、何十ページもスクロールして結局見つからないという経験は誰にでもあるはずです。
定額制ストックメディアを運営するStoryblocksは4月4日、AIを活用した検索エンジンの大幅な強化を発表しました。生成AIで素材を一から作らせるのではなく、既存の膨大なライブラリから必要な素材をすぐに見つけ出すための機能改善です。
20万件の素材を削除し、4時間ごとに新着を評価
ストックサービスは素材数を競いがちですが、Storyblocksは逆のアプローチをとりました。2023年にコレクションを40パーセント拡大させた一方で、利用頻度の低い素材およそ20万件をライブラリから削除しました。
残した素材の検索順位にも手を加えています。同社独自のアルゴリズムが4時間ごとに新着素材のパフォーマンスを評価し、新鮮な素材を優先表示します。初期テストでは、この優先処理によってダウンロード率が最大60パーセント向上しました。
裏側ではBERTをベースにした内製機械学習モデルが稼働しており、ユーザーの反応を分析して検索順位を準リアルタイムで更新します。また検索結果の1ページ目に表示される動画の平均24パーセントに有色人種モデルが含まれるよう、多様性にも配慮されています。
OpenAIの大規模言語モデルと音響スペクトログラム解析
検索ワードの解釈にはOpenAIの大規模言語モデルが採用されました。ユーザーの入力があいまいだったりスペルミスがあったりしても、文脈を汲み取って適切な素材を提示します。
コンピュータビジョン技術も投入されています。動画一覧のサムネイルをAIが最適なフレームから自動選定するほか、同じ人物が登場する別クリップや代替シーンの提案も行います。
音楽検索もユニークです。楽曲をスペクトログラムと呼ばれる周波数画像に変換し、画像認識技術を用いて似た雰囲気のトラックを検出して推薦します。
なぜ重要か
日々の納期に追われるクリエイターにとって、素材探しの時間を削れる恩恵は絶大です。スペルミスへの対応やサムネイル最適化など、細かい摩擦を減らす工夫はすぐに業務効率化につながります。
業界全体が動画生成AIの話題で持ちきりななか、Storyblocksが検索体験の改善に注力したのは非常に現実的で賢明な判断だと私たちは考えます。商業利用の現場では、権利関係がクリアな既存素材を素早く手に入れる需要のほうが依然として切実だからです。
懸念点があるとすれば、パフォーマンス重視の選別方針です。4時間ごとの評価や低評価素材の削除を進めすぎると、たまにしか使われないニッチで貴重な素材が埋もれたり消去されたりするリスクがあります。
それでも、生成AIが商業品質に完全に達するまでの間、既存ストックの検索性をここまで磨き上げることは、競合他社に対する強力な防壁になるはずです。
情報源 (2)
- storyblocks.com(新しいタブで開きます)原文storyblocks.com
- prnewswire.com(新しいタブで開きます)報道prnewswire.com