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中国STAR.VISION、AI搭載衛星「WJ-1A」を打ち上げ 軌道上でデータ即時処理

公開 拡散指数 49

中国のSTAR.VISIONが酒泉衛星発射センターから「WonderJourney-1A」を打ち上げた。衛星内にString Edge AIプラットフォームを搭載し、地上局へデータを送り返すことなく軌道上でリアルタイムに解析できる。中国初のAI中核型衛星として、環境監視や災害救助への活用を目指す。

中国STAR.VISION、AI搭載衛星「WJ-1A」を打ち上げ 軌道上でデータ即時処理
画像:scmp.com

従来の地球観測衛星は、宇宙空間に置かれた高性能カメラのようなものでした。撮影した膨大な画像データを地上の受信基地へ送り、地上のサーバーで時間をかけて解析するのが一般的な流れです。山火事などの災害時には、地上での解析を待つ間に手遅れになるケースも少なくありませんでした。

中国・杭州の新興宇宙企業STAR.VISIONは、この常識を覆そうとしています。同社は8月11日、内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから商業ロケット「谷神星1号遥7」により、AI頭脳を搭載した衛星「WonderJourney-1A(WJ-1A)」を軌道へ投入しました。打ち上げには西光1号01や星池1号Bなど、他の6基の衛星も相乗りしています。

180日かかった解析を数時間で完了

衛星の名称は古代の思想家である荘子の宇宙観に由来しています。WJ-1Aの最大の特徴は、独自の車載インテリジェント処理ユニット「String Edge AI Platform」を搭載し、軌道上で直接データを処理できる点にあります。

同社の共同創業者兼CTOである王春暉氏によると、WJ-1AはAIを中核に据えた専用のスマートOSを備えています。高解像度カメラ、近赤外線カメラ、VRパノラマカメラを搭載し、森林や海洋のセマンティック認識、目標特定、データの間引きや可逆圧縮を宇宙空間で瞬時に実行します。

処理能力の差は歴然です。同社広報の陳俊睿氏によれば、1万平方キロメートルの領域を解析して標的を追跡する作業は、従来の地上処理方式では約180日を要していましたが、WJ-1Aなら軌道上処理によりわずか数時間で完了すると説明しています。

宇宙版ChatGPTとコネクテッドカー連携

STAR.VISIONはWJ-1Aの単なるリモートセンシングにとどまらない活用を見据えています。将来的には地上のスマートカーやドローンと直接通信し、山火事や土壌水分、病害虫といった環境情報をリアルタイムで通知する計画です。

さらに、衛星自体を宇宙のAIアシスタントへアップデートする開発も進んでいます。地上のユーザーがChatGPTのように自然言語で衛星に対話し、指示を出したり分析結果を受け取ったりできる環境を目指しています。同社はパートナー企業と連携し、2024年末までに衛星コンステレーションを20基規模へ拡大する方針です。

なぜ重要か

防災機関や農業・林業の現場にとって、観測データのタイムラグが数か月から数時間へ縮まる意味は極めて大きいです。初期消火や農作物の被害防止など、一刻を争う現場において即応性の高い宇宙データが手に入る価値は計り知れません。ただし、現段階では実証実験の域を出ておらず、一般企業が日常的に直接対話して恩恵を受けるにはまだ時間がかかります。

業界全体で見れば、宇宙エッジコンピューティングの実用化は衛星ビジネスの通信ボトルネックを直撃する動きです。衛星から地上へのデータダウンリンク帯域は非常に高価で限られており、無意味な雲の写真を地上に送り続ける無駄を排除できます。必要な結論だけを抽出して地上に降ろすモデルは、競合する地球観測事業者にもエッジAI化への追従を強いることになります。

私たちが考えるに、通信容量の制約をエッジ処理で突破するアプローチは非常に合理的です。一方で、宇宙放射線や過酷な熱環境の下で高負荷なAIプロセッサがどれだけ長期にわたり安定稼働できるかという懸念は残ります。2024年末までに20基体制を築くという目標も含め、軌道上での耐久性と量産運用のハードルをクリアできるかが成否の分かれ目になりそうです。

情報源 (2)

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    scmp.com(新しいタブで開きます)原文scmp.com
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