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業界動向

中国ADA SpaceがAI衛星12基を打ち上げ:2800基の宇宙AI計算網へ

公開 拡散指数 61

ADA Spaceと之江実験室が、2800基規模の宇宙計算コンステレーションに向け最初のAI衛星12基を打ち上げました。各衛星は744 TOPSの処理能力と8Bモデルを搭載し、100Gbpsのレーザー通信で連携します。地上局を介さず宇宙空間で直接データを分析・処理する狙いです。

中国ADA SpaceがAI衛星12基を打ち上げ:2800基の宇宙AI計算網へ
画像:spacenews.com

これまでの地球観測衛星には大きな弱点がありました。宇宙から鮮明な画像を撮影しても、地上局の上空を通過するまでデータを送信できず、解析結果が出るまでに数時間かかるという点です。災害対応において、この遅れは致命的になりかねません。

中国の宇宙開発企業が、その解決策としてAIデータセンターそのものを宇宙へ打ち上げ始めました。

長征2号Dロケットにより、ADA Space(成都国星航天科技)と之江実験室が共同開発した12基のAI計算衛星が打ち上げられました。これは「星算計画」(三体計算星座とも呼ばれる)の第一歩となるもので、最終的には2800基の大規模コンステレーションを目指しています。軌道と周波数帯については、すでに国際電気通信連合(ITU)の承認を取得済みです。

宇宙で80億パラメータのAIモデルを動かす

今回打ち上げられた12基は、2800基規模の計算網に向けた技術実証プロトタイプとしての役割を持ちます。

各衛星には宇宙用AIプロセッサが搭載され、1基あたり744 TOPSの演算性能を誇ります。12基合わせると合計演算能力は5 POPSに達します。

さらに驚くべきは、衛星に最大80億パラメータ(8B)の大規模AIモデルが直接組み込まれている点です。地球観測機器に加え、ガンマ線バースト観測用のX線偏光検出器も搭載されています。衛星同士は最大100Gbpsの衛星間レーザー通信で結ばれ、データを地上へ送る前に軌道上で分散処理し、分析結果だけを即座に地上へ届ける仕組みです。

2種類の衛星設計と大手テックの後押し

数千基の衛星を低コストで軌道に投入するため、ADA Spaceは2種類の衛星設計を採用しました。

1つ目の「タイプ1」はスタック型で、1本のロケットに何段も積み重ねて一括打ち上げが可能です。2つ目の「タイプ2」は標準的なキューブサットで、他の打ち上げミッションの余剰積載枠に相乗りする形で柔軟に展開できます。

香港証券取引所の新規公開(IPO)資料によると、第3段階で天地一体型のAIインフラを完成させる計画です。ADA Spaceと之江実験室だけでなく、アリババ集団や科普雲、軟通動力(iSoftStone)といったIT大手とも提携を結んでいます。

なぜ重要か

この取り組みは、宇宙産業における「エッジコンピューティング」の実装です。緊急救助や環境監視、低空経済などの分野では、衛星自身が画像を解析して数秒で警告を発信できるようになり、従来の地上頼みの運用と比べて初動速度が劇的に向上します。

地上局とのダウンリンク帯域は長年ボトルネックでしたが、100Gbpsのレーザー通信網を使って軌道上でAI処理を完結させる発想は非常に合理的です。

しかし、真空環境での廃熱処理や宇宙線による半導体エラーなど、高負荷なAIチップを軌道上で長期間安定稼働させるハードルは極めて高いと私たちは見ています。2800基という野心的な計画を完遂するための打ち上げコストと、商業収益のバランスをどう保つかが今後の真の試金石になりそうです。

情報源 (3)

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    spacenews.com(新しいタブで開きます)原文spacenews.com
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