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業界動向

Spotifyが大手レーベルと提携、権利保護と収益化を両立する「アーティスト優先」AIツールを開発へ

公開 拡散指数 40

Spotifyはソニー、ユニバーサル、ワーナー、Merlinと提携し、クリエイター中心の生成AI音楽製品を開発すると発表した。アーティストがAI利用の可否を自ら選べ、楽曲が利用された際には対価を得られる仕組みを整える。専用の生成AIラボも新設し、著作権保護と技術革新の両立を図る方針だ。

Spotifyが大手レーベルと提携、権利保護と収益化を両立する「アーティスト優先」AIツールを開発へ
画像:techcrunch.com

AIが生成した架空のバンドの楽曲がSpotify上で拡散し、人間のアーティストを締め出すのではないかと批判が集まってから間もなく、配信大手のSpotifyが反撃の一手を打ちました。

Spotifyは10月16日、ソニー・ミュージック、ユニバーサル・ミュージック、ワーナー・ミュージックの3大メジャーレーベル、およびインディーズ団体Merlinと提携し、アーティストファーストな生成AI製品を共同開発すると発表しました。

アーティストに選択権と対価を

今回発表されたツールの具体的な仕様はまだ明かされていませんが、根底にあるのは著作権の尊重と公平な対価の支払いです。

最大のポイントはオプトイン方式を採用する点です。アーティストやソングライターは、自分たちの楽曲をAIツールに利用させるかどうかを自ら選択できるようになります。

想定される仕組みとしては、AI生成トラックに自身の音楽が使用されたことを検知し、適切な報酬を受け取れるシステムを目指しています。この枠組みは今後、他の権利者や流通業者にも順次拡大される予定です。

Spotifyは先月にもAI関連のポリシーを改定し、AI楽曲の大量アップロードや検索・推薦機能の不正操作といったスパム対策を強化していました。また、制作過程でAIが使われた楽曲を識別するため、業界標準のDDEXラベルの採用も表明しています。

社内に生成AIラボを新設

この取り組みを推進するため、Spotifyは社内に生成AI専門の研究ラボと製品開発チームを立ち上げました。すでに最初のプロダクトの開発に着手しているとのことです。

Spotifyは声明の中で、著作権を不要と考えるテクノロジー関係者の姿勢を明確に否定しました。

音楽業界が今リーダーシップを発揮しなければ、権利や同意、正当な対価が無視されたまま、別の場所でAI開発が進んでしまうと強い危機感を示しています。

なぜ重要か

クリエイターにとって、プラットフォーム側が正式に権利保護と収益還元の仕組みを作ろうとしている点は評価できます。無断で学習データとして搾取される不安に対し、自分の意思でAIエコシステムに参加し、マネタイズできる道筋が見えてきたからです。

ただし、手放しで喜ぶのはまだ早いと私たちは考えます。大手3大レーベルが主導する枠組みである以上、巨額の還元金がレーベル側に偏り、末端のインディーズ作家にどこまで公正に行き渡るのかは不透明だからです。

業界全体で見れば、Spotifyの立ち回りは非常に巧みです。権利者側を自らのプラットフォームに巻き込むことで、著作権訴訟のリスクを回避しつつ、独自に急成長する外部の音楽生成AIサービスを牽制できます。ルールを作る側に回ることで、合法的なAI音楽市場の主導権を握ろうとしているのは間違いありません。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

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