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業界動向

Spotify、AI生成楽曲を大量削除:不正再生の疑いでBoomy製楽曲の7%を排除

公開 拡散指数 42

Spotifyが、生成AIスタートアップ「Boomy」で作られた数万曲をプラットフォームから削除した。ユニバーサルミュージックがbotによるストリーミング再生の水増しと印税搾取を警告したためで、削除数は同システム生成曲の約7%に及ぶ。Spotifyも不正行為への対処と印税支払いの保留を認めた。

Spotify、AI生成楽曲を大量削除:不正再生の疑いでBoomy製楽曲の7%を排除
画像:engadget.com

テキストを入力して数秒で曲を作り、ボットを使って再生回数を稼ぎ、ストリーミングの印税をかすめ取る。そんな全自動の錬金術に、ついにメスが入りました。

Spotifyが、生成AI音楽スタートアップ「Boomy」によって作られた楽曲を数万曲規模で一斉に削除したと報じられました。これはBoomyのシステムで生成された全楽曲の約7%に相当します。

ボットが作り、ボットが聴く

警告の声を上げたのは、音楽レーベル大手のユニバーサル ミュージック グループ(UMG)でした。

UMGはSpotifyをはじめとする主要プラットフォームに対し、Boomy経由の楽曲で不審な再生活動が確認されたと通知しました。要するに、ボットを使ってリスナー数を不正に水増しし、配信者が不当な印税を得ている疑いがあったというわけです。

Spotifyはこの削除措置を認め、不正なストリーミングは業界全体が抱える長年の課題であるとコメントしました。不正が検知された場合、再生回数の無効化や印税の支払い保留を行い、誠実に活動するアーティストの取り分を守ると説明しています。

UMGのチーフデジタルオフィサーであるMichael Nash氏も、提携先がプラットフォーム上の監視を強化している動きを歓迎する姿勢を示しました。

1400万曲を生み出したAI工場

今回のターゲットとなったBoomyは2021年に設立されたサービスです。

ユーザーはテキストを入力するだけで、数秒でオリジナルの楽曲を生成できます。さらにそれを主要ストリーミングサービスへ直接配信し、再生回数に応じて収益を得られる仕組みを提供していました。

Boomyの発表によると、これまでにユーザーが作成した楽曲は1455万曲以上におよび、世界の録音音楽全体の14%弱に相当するといいます。

先月にはDrakeとThe Weekndの声を模倣したAI生成楽曲がバイラルになり、UMGの抗議を受けて各サービスから削除されたばかりでした。音楽業界のAIに対する警戒感は日増しに強まっています。

なお、Boomyは週末、Spotifyへの厳選された新曲配信ルートが再び利用可能になったと発表しています。

なぜ重要か

今回の騒動が浮き彫りにしたのは、AIのクオリティ論争ではなく、音楽ストリーミングサービスの根底にある配分システムの脆弱さです。

現在のストリーミングは、集まった原資を総再生数の割合に応じてアーティストに分配する仕組みが主流です。つまり、完全なゼロサムゲームです。AIを使って無限に安価な楽曲をばら撒き、ボットで再生を偽装すれば、真っ当な人間のアーティストに届くはずの報酬をシステムから掠め取ることができてしまいます。

Spotifyの対応は非常にスマートだったと私たちは考えます。「AI生成だから」という技術的・法的にグレーな理由で排除するのではなく、「ボットによる不正再生」という誰もが納得する不正行為を理由に切り捨てたからです。これにより、レーベルへの義理を果たしながらプラットフォームの規律を守る姿勢を示せました。

しかし、これは対症療法に過ぎないようにも見えます。ボットを締め出したとしても、毎日大量に投稿されるAI音源がアルゴリズムの隙間に入り込み、人間の音楽の露出を奪っていく構図は変わりません。曲の審査基準や収益配分のルール自体を抜本的に見直さない限り、このいたちごっこは終わらないはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    engadget.com(新しいタブで開きます)原文engadget.com

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