米国民の20%がAIを頻繁に利用も成長は減速、従来型検索は依然堅調
SparkToroとDatosの調査により、米国民の21%が月10回以上AIツールを利用している一方、従来型検索の利用率は95%とほぼ無傷であることが判明。AIの成長率は鈍化しており、検索代替の言説とは異なる実態が示されています。

生成AIがGoogle検索を駆逐するという言説が飛び交っていますが、実測データは全く異なる現実を示しています。
オーディエンス調査企業のSparkToroとクリックストリーム分析のDatosが、数百万台の米国デスクトップ端末のアクセスログを分析した最新レポートを公開しました。AIツールの利用は急増したものの、従来の検索エンジンはほぼ無傷であることが判明しました。
検索の牙城は崩れず、AIの伸びは鈍化へ
データによると、米国の20%以上が月10回以上利用するAIのヘビーユーザーになり、月1回以上使う層も約40%に達しました。2年半前の8%から見れば大幅な拡大です。
しかし、従来型検索エンジンを使うユーザーは依然として全体の95%を超えています。そのうち86%は月10回以上利用するヘビーユーザーであり、過去2年半での浸透率の減少は1%未満にとどまりました。むしろ検索のヘビーユーザー比率は、2023年第1四半期の84%から2025年同期には87%へと微増しています。
一方で、ChatGPT、Claude、Copilot、Gemini、Perplexity、DeepSeekなどを合算した主要AIツールの成長ペースは落ちています。2024年9月以降、前月比10%を超える成長を記録した月はなく、今後12カ月から24カ月以内に普及の踊り場を迎える可能性が指摘されています。
検索を奪うのではなく、検索を増やしていた
AIは検索のパイを奪っていません。Semrushのデータによると、ユーザーがChatGPTを使い始めると、むしろGoogleでの検索回数が急増し、その後も高い水準を維持する傾向が見られます。AIで思考を整理した結果、事実確認や追加情報のために通常の検索へ向かっている形です。
また、現在のAI利用のかなりの割合が教育関連、つまり学生の課題作成に依存しています。米国の夏休みが始まった6月にAIツールの利用が急減しており、これはOpenAI自身が公表したトークン消費量の急減傾向とも一致しています。
ウェブサイトへの流入が減っている原因は検索自体の減少ではなく、GoogleのAI Overviewsによるゼロクリック検索の増加だとレポートは分析しています。
なぜ重要か
メディアの煽り文句に反して、ユーザーの基本行動は極めて保守的であることが実データで証明されました。マーケターやパブリッシャーにとって、従来の検索対策を捨てて過度にAIチャット対策へ舵を切るのは時期尚早と言えます。
AI業界にとっては、IT感度の高い層や学生への普及が一巡し、成長の壁に直面しつつあることを意味します。検索の補佐役にとどまる限り、莫大な計算資源コストに見合う直接的な収益モデルを確立するのは容易ではないと見ています。
情報源 (1)
- sparktoro.com(新しいタブで開きます)原文sparktoro.com