ソフトバンク、OpenAIへの400億ドル出資を完了 出資比率は約11%に
米CNBCはソフトバンクがOpenAIへの400億ドル出資コミットメントを完了したと報じた。先週、最終分となる約220億〜225億ドルを送金し、同社の株式約11%を保有することになる。資金はOracleらとのAIインフラ合弁事業「Stargate」の推進などに充てられる。

孫正義氏の決断の早さは、市場の想定をはるかに上回っていました。
CNBCの報道によると、ソフトバンクグループはOpenAIに対する400億ドルの出資コミットメントの支払いを完全に完了しました。事情に詳しい関係者によれば、先週最後の220億〜225億ドルを送金したとのことです。当初は12〜24カ月かけて分割拠出されると見られていましたが、年内ですべて払い終えた形です。
ソフトバンクは以前に75億ドルを投資し、共同出資者から110億ドルを取りまとめており、最終的な拠出総額は410億ドルに達しました。これにより、ソフトバンクのOpenAIに対する持ち株比率は約11%となります。この取引のベースとなった評価額は、投資前で2600億ドルでした。
エヌビディア株を全売却し、OpenAIに全賭け
これほどの巨額資金を用意するため、ソフトバンクは大胆なポートフォリオの整理を実行しました。
先月、ソフトバンクは保有していた58億ドル相当のエヌビディア株をすべて売却。関係者は当時、この売却益と手元資金がOpenAIへの出資を支える原資になると明かしていました。
さらにソフトバンクは今週月曜、データセンター投資会社デジタルブリッジを40億ドルで買収することに合意。AIインフラの地盤固めを着々と進めています。今回投じられた資金の一部も、OpenAI、オラクル、ソフトバンクが共同で進めるAIインフラ事業「スターゲート」の支援に充てられる予定です。
OpenAIの資金需要も桁違いです。同社は今後数年間でエヌビディア、AMD、ブロードコムらと1.4兆ドルを超えるインフラ契約を結んでいます。周辺には米マイクロソフトの巨額支援に加え、キャラクターライセンスをSoraに提供する米ディズニーからの10億ドルの出資があり、今月には米アマゾンからの100億ドル規模の追加出資の可能性も報じられました。同社は新規株式公開(IPO)の準備も進めているとされます。
なぜ重要か
今回の全額拠出完了は、OpenAIの手元流動性が圧倒的な水準に達したことを意味します。
一般ユーザーや開発者にとって、この資金力はモデルの進化スピードやAPIの安定供給に直結します。次世代の推論モデルや動画生成のSoraなど、桁外れの計算資源を要する領域において、OpenAIが当面の間コストの制約を受けずにインフラを拡充できる環境が整いました。
業界全体で見れば、最先端AIの競争に必要な参入障壁が完全に吊り上げられました。マイクロソフト、アマゾン、ディズニー、ソフトバンクという超大型の資本とリソースが1社に集中することで、競合するグーグルやメタ、Anthropicも百億ドル単位の投資継続を強いられることになります。中堅規模のスタートアップが基盤モデル開発で対抗するのは、ほぼ不可能なレベルに達したと言えます。
ソフトバンクの動きについては、極めて孫氏らしい大胆な賭けだと評価できます。足元で確実な利益をもたらしていたエヌビディア株を利確し、その全額をOpenAIという単一の事業者に再投資したわけです。将来のIPOに成功すれば歴史的なリターンとなりますが、同社が抱える1.4兆ドル規模のインフラ負担を回収できるだけの収益化を達成できるかは依然として未知数であり、リターンとリスクが極限まで拮抗した勝負手だと考えられます。
情報源 (1)
- cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com