Snap、初の一般向けARグラス「Specs」を発表:完全単体動作で2195ドル
Snapは一般消費者向けARグラス「Specs」を発表した。価格は2,195ドルで、今秋に米英仏で出荷予定。外付けパック不要の完全独立型で、Snapdragonチップ2基や視野角51度のディスプレイを備え、ハンドトラッキングやAIアシスタントに対応する。

Snapがついに一般向けの本格的なARグラスを発売しますが、その価格設定は多くの人を驚かせることになりそうです。
Snapは初のコンシューマー向けARグラス「Specs」を発表しました。価格は2195ドル(約34万円)。公式サイトspecs.comにて200ドルの返金可能デポジットで予約受付を開始しており、今秋に米国、英国、フランスで出荷を開始する予定です。
同社CEOのエヴァン・スピーゲル氏は2026年内のコンシューマー向けARグラス投入を公約に掲げており、今回の発表で約束を果たした形になります。
ケーブルなしの完全独立型、見た目はゴーグル風
外部バッテリーパックとケーブルで接続するAppleのVision Proとは異なり、Specsは完全なスタンドアロン仕様です。外付け機器や邪魔なコードはありません。
サイズは2種類用意され、47mmモデルが132g、52mmモデルが136gです。度付きレンズインサートにも対応します。外観は太いフレームが特徴的で、ファッショナブルなスノーゴーグルのような個性的なデザインです。
LCoS(反射型液晶)ディスプレイを採用し、視野角51度で1600万色を表示可能。レンズは10秒で透明から濃い色へと調光できます。内部には2基のSnapdragonプロセッサを搭載し、コンピュータービジョンとAR処理を分担して低遅延なハンドトラッキングを実現します。
バッテリー持続時間は最大4時間で、付属の充電ケースを使えばさらに4回充電でき、合計20時間の駆動が可能です。マグネット式充電ケーブルをスマホやPCに接続すれば、画面をミラーリング表示することもできます。
株価は急落、若年層ユーザーとのギャップ
しかし、市場の反応は冷ややかでした。発表直後、Snapの株価は5%以上急落し、5.86ドルから一時は4.83ドルまで値を下げました。
最大の懸念はやはり約2200ドルという高額な価格設定です。Snapの主要ユーザー層である若者世代が気軽に手を出せる金額ではありません。
スピーゲルCEOはCNBCの番組で「Specsはコンピューターとして考えるべきであり、ハイエンドのノートPCと同等の価格帯だ」と反論。Metaの安価なスマートグラスと、Appleの高額で重いVision Proのちょうど中間に位置する製品だと主張しています。
なぜ重要か
Snapはハードウェアの小型化と独立駆動という工学的な難題をクリアしたものの、商業的にはかなり無理のある賭けに出たと私たちは考えます。
重さ約130gのボディに2基のSnapdragonチップと4時間のバッテリーを詰め込み、外付けパックなしで動くARグラスを作った技術力は本物です。しかし、2195ドルという価格は一般ユーザーにとって高すぎます。現在これを購入する価値があるのは、資金力のある開発者や熱心なギーク層に限られるでしょう。
業界全体で見ると、Metaは低価格で日常使いしやすいRay-Banでシェアを広げ、AppleはVision Proで高性能の限界を模索しながらも販売に苦戦しています。Snapはその中間である「身につけられる本格コンピューター」のポジションを狙っていますが、SnapにはAppleのような生産性アプリのエコシステムがなく、Metaのような価格の優位性もありません。
若者の遊び場としてのアプリを運営する会社が、ハイエンドPC並みの価格のハードを売るというズレは明白です。日常でどうしても使いたくなる明確な用途を提示できない限り、この意欲作も高価な実験作の域を出ないように見えます。
情報源 (2)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com