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業界動向

SAPとOpenAIが提携、ドイツ公共部門向けソブリンAIを2026年提供へ

公開 拡散指数 39

SAPとOpenAIはドイツの公共部門向けソブリンAI基盤「OpenAI for Germany」の提供で提携したと発表しました。Microsoft Azure技術基盤上のSAP子会社Delos Cloudで運用され、4000基のGPUへ拡張して2026年に提供開始予定です。

SAPとOpenAIが提携、ドイツ公共部門向けソブリンAIを2026年提供へ
画像:openai.com

データ主権とプライバシー基準が極めて厳しいドイツでは、公的機関の職員が業務で最先端の生成AIを使うことは長らく困難でした。

この壁を破るため、OpenAIとSAPが手を組みました。両社は9月24日、ドイツの公共部門向けにソブリン型サービス「OpenAI for Germany」を提供すると発表しました。

4000基のGPUで主権クラウドを構築

この取り組みはSAPの子会社であるDelos Cloudが運用を担い、インフラの基盤にはMicrosoft Azureの技術が使われます。提供開始は2026年を予定しています。

ドイツの厳格な法的基準やデータ主権を満たすため、SAPはドイツ国内のDelos Cloudインフラを拡張し、AIワークロード専用に4000基のGPUを配備する計画です。

今後の需要に応じて、SAPは自社設備や共同ロケーションパートナーを通じてさらなる投資を行い、将来的にはこの仕組みを欧州各国の他業界にも広げる方針を掲げています。

導入対象となるのは、政府機関、行政組織、研究機関で働く数百万人規模の職員です。公文書の管理や行政データの分析業務にAIエージェントを組み込み、煩雑な事務作業の削減を目指します。

ドイツ連邦政府は2030年までにAI主導の付加価値創出をGDPの10%にするハイテク目標を掲げています。SAPを含む61社が参加するイニシアチブ「Made for Germany」でも6310億ユーロ以上の投資が約束されており、SAP自身もデジタル主権の強化に200億ユーロ超を投じる計画です。

なぜ重要か

ドイツの行政現場で働く人々にとって、コンプライアンス違反のリスクなしに最先端のAIを使えるようになる実用的な価値は非常に大きいです。

一方で、これは高度に管理された公共機関向けの専用構成であり、一般の開発者が今すぐ手軽に試せるようなオープンな仕組みではありません。

業界全体で見ると、OpenAIとマイクロソフトのアプローチは極めて巧妙だと私たちは考えます。欧州ではMistralやAleph Alphaといった地元プレイヤーが「データ主権」を最大の防壁にしてきました。

OpenAIは真正面から規制と争うのではなく、SAPという現地最大手の懐に入り、Delos Cloudという主権クラウドの器を借りることで、競合の防壁を直接無力化しにかかっています。

ただし懸念点もあります。基盤の根底には依然として米マイクロソフトの技術が存在するため、真の意味での独立性や主権を保てているのかについて、現地の規制当局やプライバシー擁護派から今後厳しい視線が注がれる可能性があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com

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