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業界動向

Sam Altman氏のWorldcoinが正式始動:虹膜認証でAIと人間を識別

公開 拡散指数 64

OpenAIのSam Altman CEOが共同創業したWorldcoinが正式ローンチした。中核機能の「World ID」は専用カメラ「Orb」で虹彩を読み取り、AIではなく実在する人間であることを証明する。20カ国35都市に1500台のOrbを順次配備し、本人認証と暗号資産配布を進める。

Sam Altman氏のWorldcoinが正式始動:虹膜認証でAIと人間を識別
画像:the-decoder.com

生成AIの急速な進化によって、ネット上で本物の人間とボットを見分けることが難しくなりつつあります。その波を先頭で引き起こしたOpenAIのサム・アルトマンCEOが、今度は「人間であること」を証明するための大胆なプロジェクトを正式に始動させました。

アルトマン氏が共同設立した「Worldcoin」は、メインネットのプロトコルとアプリの提供を世界規模で開始しました。独自暗号資産であるWLDトークンの配布も始まり、バイナンスやHuobi、Bybitといった主要取引所に相次いで上場しています。

銀色の球体で虹彩を読み取り「人間」を証明する

Worldcoinの中核となるのが「World ID」と呼ばれるデジタル身分証明プロトコルです。これはオンライン上で個人を特定することなく、「確かに実在する唯一の人間である」ことだけを暗号学的に証明する仕組みです。

この認証を行うために使われるのが、「Orb(オーブ)」と呼ばれるボウリング球ほどの大きさの専用スキャナーです。利用者がOrbに目を近づけて虹彩をスキャンすると、生体データから固有の暗号コードが生成され、元の虹彩画像は直ちに破棄されると説明されています。

運営母体であるTools for Humanityはサンフランシスコとベルリンを拠点にしており、5月にはBlockchain Capital主導のシリーズCラウンドで1億1500万ドルを調達しました。ユーザーは専用ウォレット「World App」を通じて、登録の見返りとして配布されるWLDトークンを受け取り、送金や取引を行えます。

世界20カ国へ拡大する一方、強まるプライバシーへの懸念

Worldcoinはベータ期間中にすでに200万人以上の登録者を集めており、直近半年間では毎週4万人以上の身元確認を行ってきました。これまでケニア、ポルトガル、スペイン、アルゼンチン、チリ、インドなどで展開されていましたが、今回の正式ローンチに合わせて1500台のOrbを投入します。

これにより、東京やソウル、ベルリン、ニューヨークを含む世界20カ国35都市へ拠点を拡大し、登録処理能力を5倍以上に引き上げる計画です。

アルトマン氏は、このシステムが将来的にAIによる労働代替が進んだ際、ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)を公平に分配し、なりすましによる不正受給を防ぐための社会基盤になり得ると語っています。

しかし、批判も少なくありません。虹彩という変更不可能な生体情報を暗号資産企業に差し出すことへのプライバシー懸念は根強く、ブルームバーグなどは、インドネシアやガーナなどの新興国において登録者を募る手法が強引だったと報じています。

なぜ重要か

AIがテキストや画像を瞬時に大量生成できる時代において、「相手が人間かどうか」を判別する需要は間違いなく高まります。すでに公開されているSDKを使えば、開発者はスパム対策やボットによる投票操作の防止にWorld IDを組み込むことができ、技術的な着眼点は非常に鋭いと言えます。

しかし、一般ユーザーがわずかなトークン報酬のために虹彩を提供することは、現時点では慎重になるべきだと私たちは考えます。ハッシュ値のみを保持すると主張していても、生体スキャナーという物理ハードウェアと運用オペレーターを無条件に信用するにはリスクが大きすぎます。

アルトマン氏が描く「AI普及後のベーシックインカム配布基盤」という構想は壮大ですが、各国の規制当局が暗号資産への締め付けを強める中、生体認証とトークンエコノミーを組み合わせたアプローチは法的な摩擦を避けられません。社会インフラとしての地位を確立するには、技術的な完成度以上に、人々の根深い不信感を払拭できるかが最大の関門になりそうです。

情報源 (3)

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    benzinga.com(新しいタブで開きます)原文benzinga.com
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