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研究

Sakana AI、複数モデルが協力する新推論アルゴリズム「AB-MCTS」を公開

公開 拡散指数 38

Sakana AIは複数モデルの協調推論アルゴリズム「AB-MCTS」を発表した。Gemini 2.5 Pro、o4-mini、DeepSeek-R1を連携させて試行錯誤させる仕組みで、ARC-AGI-2テストにおいて単体モデルを大幅に上回るスコアを記録した。コードはGitHubで公開されている。

Sakana AI、複数モデルが協力する新推論アルゴリズム「AB-MCTS」を公開
画像:x.com

AB-MCTSは、複数の異なるAIモデルを推論時に連携させ、チームとして難問を解かせるための探索アルゴリズムです。単一のフロンティアモデルでは行き詰まりやすい高度な推論課題に対して、各社のモデルを組み合わせた試行錯誤環境を提供します。

正式名称は「Adaptive Branching Monte Carlo Tree Search(適応的分岐モンテカルロ木探索)」です。モデルの重みを事前に合成するのではなく、推論時に既存の強力なAIを束ねて集団知能を引き出すアプローチをとっています。

複数モデルをどう協調させるか

GeminiやChatGPT、DeepSeekといった最先端モデルは、それぞれ訓練手法に由来する得意分野や偏りを持っています。AB-MCTSは、その多様性を問題解決の武器として活用します。

アルゴリズムの基盤となるのはモンテカルロ木探索です。適応的分岐によって、あるモデルが生成した解の候補を別のモデルが検証したり、異なる視点から新しい探索枝を伸ばしたりしながら、効率的に試行錯誤を繰り返します。

Sakana AIによると、本作は2024年に発表した進化的モデルマージ研究の延長線上にあります。ただし今回は「混ぜて作る」から「既存の強いAIを混ぜて使う」へと方針をシフトさせています。

ベンチマーク結果と公開状況

抽象推論テストであるARC-AGI-2ベンチマークにおいて、Sakana AIはo4-mini、Gemini 2.5 Pro、DeepSeek-R1-0528の3モデルを組み合わせて検証を実施しました。結果として、この協調システムは各単体モデルのスコアを大幅に上回る成績を記録しました。

コードと実験環境はGitHub上でオープンソースとして公開されています。アルゴリズム本体は「TreeQuest」リポジトリ、ARC-AGI-2の実験再現コードは「ab-mcts-arc2」リポジトリから入手可能です。論文もarXivで閲覧できます。

利用には各モデルのAPIキーと実行環境が必要になります。

なぜ重要か

単一モデルの思考時間を延ばす推論時スケーリングが主流になるなか、異なる出自のモデルを木探索で束ねるという発想は非常に実践的だと考えられます。単一モデルではどれだけ深く考えても抜け出せないバイアスを、別モデルの視点を挟むことであっさり解消できるためです。

複雑なエージェントワークフローや難関ベンチマークの攻略に取り組んでいる開発者なら、試してみる価値は十分にあります。複数APIを呼び出すためのコストとレイテンシは増えますが、正答率の限界を引き上げたいケースにおいて有力な選択肢になるはずです。

情報源 (2)

  1. [1]
  2. [2]
    venturebeat.com(新しいタブで開きます)報道venturebeat.com

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