Qualcommが新Snapdragon発表:スマホ単体で300億パラメータAIが動作
QualcommはSnapdragon Summitにて、新チップセット「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」などを発表しました。従来の約40億から飛躍し、端末単体で最大300億パラメータのAIモデル処理に対応します。自律型エージェントの処理向上を掲げ、来年のSamsungやXiaomiなどの端末に搭載されます。
スマートフォンのAI機能といえば、結局のところクラウド上のサーバーにデータを送って結果を待つ仕組みが主流でした。電波が途切れると何もできなくなるのが現状です。
クアルコムは年次イベント「Snapdragon Summit」にて、次世代の主力チップセットとなる「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」と「Snapdragon 8 Elite Gen 6」を発表しました。前者は最上位のフラッグシップ機向け、後者はより幅広い価格帯の端末向けに展開されます。
同社CEOのクリスティアーノ・アモン氏は、AI時代においてもスマホは生活の中心であり続けるとしつつ、端末との関わり方がエージェント主導へと変わっていく未来を強調しました。
300億パラメータのモデルが端末内で動く衝撃
今回の目玉は、端末ローカルで処理できるAIモデルのサイズが桁違いに拡大した点です。刷新されたHexagon NPUにより、最大300億パラメータ規模のMoEモデルをスマホ単体で実行できるようになりました。
現在普及しているスマートフォンのオンデバイスAIが約40億パラメータ程度を上限としていることを踏まえると、これは異例のジャンプアップです。
チップセットはOryon CPU、Hexagon NPU、進化したSensing Hubを統合したQualcomm AI Engineを搭載しています。さらに、AIを活用した新しいQualcomm X105 5Gモデムを備え、通信安定性を高めています。
カメラ機能も強化され、撮影シーンに対するより深い理解が可能になりました。また上位のExtreme版では、周囲の騒音から人の声だけを的確に分離して拾い上げる「AI Voice Bubble」技術が盛り込まれています。
採用メーカーにはサムスン、シャオミ、モトローラ、オナー、OnePlus、OPPO、vivoなどが名を連ねています。最初の搭載機のひとつとして、Extreme版を積んだMotorola Signature 27が予告されました。
なぜ重要か
ユーザーにとっての最大の恩恵は、プライバシーと応答速度の両立です。30Bクラスの推論がローカルで完結すれば、個人情報を外部サーバーに預ける不安がなくなり、通信環境に左右されず即座にタスクを処理できるようになります。
ただし、今すぐ買い替えを検討すべきかといえば、実機の検証を待つのが賢明だと考えます。300億パラメータ規模のモデルを小さな筐体で動かせば、当然ながら発熱とバッテリー消費の課題がついて回ります。高通がうたう電力効率が日常使用でどこまで機能するかは見極めが必要です。
業界全体で見れば、クアルコムの立ち回りは非常に巧みです。同社の半導体はMetaのRay-BanスマートグラスやSnap Specs、Galaxy Watch 9など、身につけるAIハードウェアの基盤をすでに押さえています。
今回の発表は、競合するメディアテックやアップルに対してオンデバイスNPUの基準を大幅に引き上げるプレッシャーを与えるものです。スマートフォンが単なる画面付きの道具から、自律的に動くエージェントの母艦へと移り変わる分岐点になりそうです。
情報源 (1)
- thedeepview.com(新しいタブで開きます)原文thedeepview.com