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Physical Intelligenceがロボット基盤モデル「π0」発表:洗濯物畳みや箱組み立ても自律実行

公開 拡散指数 39

Physical Intelligenceは汎用ロボット基盤モデル「π0」を発表した。30億パラメータのVLMに連続動作を生成するフローマッチング技術を統合し、秒間50回の頻度でモーター制御信号を出力する。8種のロボットに対応し、洗濯物畳みや片付けなど複雑作業の学習を大幅に効率化する。

Physical Intelligenceがロボット基盤モデル「π0」発表:洗濯物畳みや箱組み立ても自律実行
画像:physicalintelligence.company

チェスで名人を破り、タンパク質の立体構造を予測できる最先端AIでも、散らかった机の片付けや洗濯物を畳むといった日常動作となると途端に手も足も出なくなります。いわゆる「モラベックのパラドックス」です。

ロボット系スタートアップのPhysical Intelligenceは10月31日、この壁を突破すべく8カ月間かけて開発した汎用ロボット基盤モデル「π0(パイ・ゼロ)」を発表しました。

視覚言語モデルから秒間50回の連続モーター制御へ

従来の産業用ロボットは、決められた軌道で同じ溶接を繰り返すような単一作業には強いものの、家庭のような雑然とした環境では少しのズレで動かなくなります。タスクやロボットが変わるたびに膨大な専用データを集めて調整しなければなりませんでした。

π0はこの課題を、大規模言語モデルと同じアプローチで解決しようとしています。まず30億パラメータの事前学習済み視覚言語モデル(VLM)をベースにして、Web規模の画像やテキストから空間認識や常識を学習させました。

決定的な違いは出力の仕組みです。テキストを出力する代わりに、拡散モデルの派生技術であるフロー・マッチングを採用し、毎秒最大50回の頻度で低レベルなモーター制御コマンドを連続出力できるようにしました。

学習には公開データセットだけでなく、8種類の異なるロボットから収集したケーブル配線、プラグの抜き差し、箱の組み立てなど、手先の器用さが求められる独自データを大量に投入しています。

人間に邪魔されても復帰できる洗濯物畳み

少量の高品質データで追加学習させたπ0は、従来のロボットが最も苦手としていたタスクをノーカットでこなしてみせました。

洗濯物の処理では、乾燥機からクシャクシャになった衣類を取り出し、テーブルへ運んで綺麗に畳んで積み上げます。途中で人間が服を引っ張って乱しても、ロボットは状況を再認識して作業を自律的にやり直す粘り強さを見せました。

テーブルの片付けでは、ただ食器を1つずつ運ぶのではなく、皿の上のゴミをゴミ箱に払い落としてから回収箱に入れたり、複数の皿を重ねて一気に運んだりといった合理的な行動を自発的にとりました。学術界のOpenVLAやOctoといった既存モデルとの比較でも、明確に高い完了率を記録しています。

なぜ重要か

ロボット工学は長年、ハードウェアごとに専用プログラムを組む属人的な職人技に縛られてきました。

私たちは、π0が示した「多様なハードウェアとタスクで事前学習を行い、少量のデータで下流タスクに適応させる」という道筋こそが、ロボット産業のゲームチェンジャーになると考えています。新しい作業を教えるコストが桁違いに下がるからです。

もちろん、一般家庭に明日すぐ家事ロボットが届くわけではありません。毎秒50回のアクション生成をリアルタイムで回す計算負荷や、柔軟に動く高精度な双腕ハードウェアのコストは依然として高いハードルです。

それでも、ロボットの知能開発が「個別プログラムの作成」から「物理世界を理解する基盤モデルへのプロンプト注入」へ移行しつつあることを、π0ははっきりと証明しています。

情報源 (1)

  1. [1]
    physicalintelligence.company(新しいタブで開きます)原文physicalintelligence.company

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