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トランプ次期米大統領にマスク氏をAI特別顧問に任命するよう求める請願

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米団体ARIがトランプ次期大統領に対し、イーロン・マスク氏をホワイトハウスのAI特別顧問に任命するよう求める請願を開始した。技術推進と安全対策の両立を担える適任者と主張しているが、保有企業との利益相反に対する懸念も残る。

トランプ次期米大統領にマスク氏をAI特別顧問に任命するよう求める請願
画像:foxbusiness.com

トランプ次期政権の誕生を受け、イーロン・マスク氏をホワイトハウスのAI特別顧問に据えようとする動きが早くも始まりました。

非営利の政策提言団体 Americans for Responsible Innovation(ARI)は、トランプ氏に対してマスク氏をAI特別顧問に任命するよう求める請願活動を開始しました。目標とする署名数は1万件で、同団体は「米国のAIにおける優位性を守りつつ、安全な開発をリードできる人物はマスク氏のほかにいない」と主張しています。

安全論者と事業者の二面性

元民主党下院議員のブラッド・カーソン氏が率いるARIは、企業からの資金提供を受けていない独立系組織を掲げています。彼らがマスク氏を推す理由は、同氏がAIの最前線にいながら、その破滅的リスクを警告し続けてきた点にあります。

マスク氏はOpenAIの共同創業者であり、現在は自身が立ち上げたxAIやテスラでAI開発をリードしています。一方で、より高度な生成AIの開発を一時停止するよう求める公開書簡に署名したほか、カリフォルニア州で議論を呼んだAI安全法案「SB 1047」を支持するなど、厳格な規制論者としても振る舞ってきました。

ARIのアナリストであるデビッド・ロブスト氏は、マスク氏の安全への関心は本物だと評価します。マスク氏が提唱する「政府効率化省(DOGE)」で連邦政府の大規模な支出削減を行う際も、国立標準技術研究所(NIST)のようなAI安全の重要機関は削減対象から外される可能性があると期待を寄せています。

避けられない利益相反と投資家の懸念

しかし、マスク氏の顧問就任には当然ながら強い批判がつきまといます。

マスク氏はxAIを率いる当事者であり、営利路線に舵を切ったOpenAIを相手取って訴訟を起こしている真っ最中です。国家のAI政策を導く立場に就けば、競合他社を規制で縛り、自社を有利に誘導するのではないかという懸念を払拭するのは容易ではありません。

さらにテスラの株主にとっても頭の痛い問題です。560億ドル規模の報酬パッケージを巡る裁判でも、マスク氏が複数の事業に手を広げすぎて本業に集中していない点が厳しく批判されてきました。ここにホワイトハウスの顧問職まで加われば、さらなるリソース分散は避けられません。

なぜ重要か

正式な任命に至るかどうかは別として、次期政権のAI政策においてマスク氏が巨大な影響力を持つことはほぼ確実に見えます。

開発者やスタートアップにとって、マスク氏の助言が政策に反映された場合の影響は小さくありません。同氏は大規模モデルの開発者に安全対策を義務付ける規制を容認する姿勢を示しており、もしそうした重い安全要件が法制化されれば、莫大な予算を持たない小規模な開発者やオープンソースコミュニティが締め出される恐れがあります。

OpenAIなどの競合企業にとっては極めて厄介な事態です。法廷で争っている相手が政府のAI方針を直接助言するとなれば、規制当局の視線がライバル企業に厳しく向けられる可能性は否定できません。

ARIは「適切な仕組みがあれば利益相反は防げる」としていますが、自ら数千億円規模のAIインフラを動かす起業家が、政策提言と自身のビジネスの利害を完全に切り離せると考えるのは、やや楽観的に過ぎると私たちは見ています。

情報源 (2)

  1. [1]
    foxbusiness.com(新しいタブで開きます)原文foxbusiness.com
  2. [2]
    theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com

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