PerplexityがTikTok買収を提案、アルゴリズムの再構築とオープンソース化を計画
AI検索スタートアップのPerplexityがTikTokの買収案を公開した。米国内のデータセンターで推薦アルゴリズムをゼロから再構築し、オープンソース化する方針を掲げている。ただしTikTokの事業評価額は最大500億ドル規模とされ、話題作りの側面も指摘されている。

利用禁止期限が目前に迫るなか、AI検索スタートアップのPerplexityが驚きの提案を打ち出しました。金曜日に公開した公式ブログで、TikTokの米国事業を買収し、その中核である推薦アルゴリズムをオープンソース化する買収案を提示したのです。
同社は、世界水準の技術力と独立した小規模テック企業としての立場を兼ね備えており、独占を生み出さずにTikTokを再建できる唯一の存在だとアピールしています。
アルゴリズムをゼロから刷新し、検索機能を統合
Perplexityが示した再建計画は具体的です。まず、米国内のデータセンターにおいて米国の監視下で推薦アルゴリズムをゼロから作り直し、システム全体を透明性の高いオープンソースにするとしています。
インフラ面ではNvidia Dynamo技術を採用してAI基盤を刷新し、自動翻訳による多言語対応も追加する計画です。
さらに、自社の強みであるAI検索をTikTokの動画ライブラリと直接統合する構想も掲げています。同社の検索結果と同じように各動画へ情報源の引用機能を付与するほか、PerplexityとTikTokのアカウントを連携させることで、より関連性の高い動画をパーソナライズ表示できるようにするとしています。
資金力の壁と、過去の派手な演出癖
しかし、この買収が現実的かどうかには疑問符がつきます。親会社のByteDanceは一貫して米国事業の売却に消極的です。今年1月に最高裁判断を受けて約14時間アプリが停止した後、トランプ大統領の署名で75日間の猶予が与えられましたが、その期限が間もなく訪れます。
最大の難関は資金規模です。アナリストによるTikTok米国事業の評価額は300億ドルから500億ドルとされています。一方、Bloombergの報道によると、Perplexity自身が現在交渉を進めている最新ラウンドの評価額は180億ドル規模にとどまります。買収先にはオラクルやマイクロソフト、投資家連合といった大手が名を連ねています。
加えて、2022年創業の同社は奇抜な宣伝工作でも知られています。Googleの検索不具合を揶揄するために『イカゲーム』のイ・ジョンジェを起用したCMに250万ドル以上を投じたり、F1チームへの500万ドルのスポンサー契約を試みたり、俳優のジミー・O・ヤンをCSOに任命したと称した過去もあります。今回の買収案も単なる話題作りではないかと見られています。
なぜ重要か
製品の構想自体は非常に魅力的です。不透明な推薦アルゴリズムを完全に公開し、動画に信頼できる情報源の引用を付け、検索可能な情報資産に変えるという試みは、ショート動画特有のブラックボックス問題に対する理想的な解決策に見えます。
戦略の観点からも、巨大テックの独占を批判しつつオープンソースと中立性を掲げたのは極めて巧妙です。独禁法リスクを抱えるマイクロソフトやオラクルと比較して、規制当局に対して自らをクリーンな選択肢として提示できています。
とはいえ、私たちの見立てでは、これは極めて計算されたPRキャンペーンである可能性が高いと考えます。自社の評価額を大きく上回る事業を単独で買収できる現実的な道筋は見当たりません。
TikTokの存亡に世間の注目が集まる4月5日直前のタイミングを見計らい、自社のAI検索技術とブランド価値を世界中に知らしめたという点において、すでに同社の広報戦略としては大成功を収めています。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
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