本文へスキップ
IFAI

業界動向

PerplexityがTikTok米事業に統合提案:新会社設立で株式維持を提示

公開 拡散指数 49

Perplexity AIはByteDanceに対し、自社とTikTok米事業、新たな出資者を統合する新会社の設立を提案した。既存株主の持ち分を維持しつつ、AI検索に動画データを取り込む狙いだ。関係者によると、事業価値は500億ドルを大幅に上回る規模になるという。

PerplexityがTikTok米事業に統合提案:新会社設立で株式維持を提示
画像:cnbc.com

評価額約90億ドルの新興AI検索企業が、1億7000万人の米国内ユーザーを抱える超巨大アプリ、TikTokの米国事業に買収ならぬ「合併」を持ちかけました。

米CNBCなどの報道によると、AI検索エンジンを手がけるPerplexity AIは1月18日、TikTokの親会社であるByteDanceに対し、Perplexity、TikTok米国事業、そして新たな資本パートナーを統合した新会社を設立する合併案を正式に提出しました。

関係者の話によれば、この提案の肝は「売却」ではなく「対等な合併」という枠組みをとっている点にあります。ByteDanceはこれまでTikTok米国事業の売却を一貫して拒否してきましたが、合併であれば既存投資家の多くが新会社の株式をそのまま保有し続けることができるため、合意に至る余地があると同社は見立てています。

500億ドル規模の巨人を狙うPerplexity

関係者はTikTok米国事業の適正価格を「500億ドルを大幅に超える」と見ています。最終的な買収・出資規模は、ByteDanceの既存株主のうち何社が現金を希望し、何社が株式を持ち越すかによって左右される見通しです。

Perplexityは2024年初頭に約5億ドルだった企業評価額を、生成AIブームを追い風に年末には約90億ドルまで急成長させました。盗作や無断引用の批判に直面しながらも、GoogleやOpenAIに対抗するAI検索の旗手として存在感を高めています。

Perplexity側の狙いは明確で、自社のAI検索エンジンにTikTokの膨大な動画コンテンツを取り込むことです。従来のWebページを中心としたテキスト検索から、若い世代が多用する動画による情報探索へと検索のあり方を塗り替える足がかりにしたい考えです。

迫る禁止期限と90日の猶予

この提案が出されたタイミングはまさに崖っぷちでした。

米国法に基づく売却期限は1月19日日曜日に迫っており、TikTok側はバイデン政権からアプリストア事業者等への不処分の確約が得られなければ、米国内でサービスを停止せざるを得ないと警告していました。

しかし、翌週月曜日に就任するドナルド・トランプ次期大統領は、就任後に90日間の期限延長を認める可能性が極めて高いとNBCに明かしました。TikTokのショウ・ジ・チュウCEOもトランプ氏への謝意を示す動画を公開しています。

ByteDanceはこれまで、イーロン・マスク氏への売却観測を完全な虚構と切り捨てるなど、事業売却には極めて否定的な姿勢を崩していません。Perplexityはこの政治的混乱と猶予期間の隙を突いた形です。

なぜ重要か

今回の合併提案は実現性こそ未知数ですが、AI検索企業が次なる成長のためにどれほど流通網と独自データを渇望しているかを鮮明に示しています。

ユーザー視点で見れば、仮にAI検索と短動画プラットフォームが真に融合した場合、文字の要約だけでなく、関連する動画の該当シーンが即座に答えとして返ってくるような新しい検索体験が生まれる可能性があります。ただ、現時点でユーザーが何か対応を迫られるわけではなく、まったく毛色の異なる2つのサービスがうまく噛み合うかも未知数です。

業界全体に対する影響としては、GoogleのAI OverviewsやOpenAIのSearchGPTといったテキスト中心の検索競争に対し、動画という最も滞在時間の長い領域から奇襲をかけるシナリオを提示した点が挙げられます。AI企業が検索の覇権を握るには、Webサイトのクローリングだけでなく、ソーシャルメディアの独自データを取り込む必要があるという現実を突きつけています。

しかし私たちの見解として、このディールが成立する可能性は極めて低いと言わざるを得ません。評価額90億ドルのスタートアップが500億ドル以上の資産を動かすという財務的な無理筋に加え、ByteDanceの既存株主が株式を保持する構造は、米当局が問題視してきた安全保障上の懸念を根本的に解消しないためです。Perplexityにとっては、世界で最も注目される買収劇に自社の名を刻み込んだ、極めて抜け目のないPR戦略という側面が強いと見られます。

情報源 (2)

  1. [1]
    cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

トピックを追うPerplexityによるTikTok買収提案

このトピックのニュース。新しい順です。

  1. PerplexityがTikTok買収を提案、アルゴリズムの再構築とオープンソース化を計画
  2. PerplexityがTikTok米事業に統合提案:新会社設立で株式維持を提示この記事

毎日のAIピックアップ