Perplexity、AIブラウザ「Comet」を発表 エージェント型検索に特化
米Perplexityは、エージェント型検索に特化した独自Webブラウザ「Comet」の開発を発表し、早期アクセスの登録受付を開始した。単なる拡張機能にとどまらず、AIがユーザーの代わりにWeb上で調査やタスクを実行する体験を目指す。正式なリリース時期はまだ明かされていない。
検索エンジンに質問を投げれば、何十本ものリンクを開くことなく的確な答えが返ってくる。Perplexityはそうした体験でネット検索の常識を塗り替えつつありますが、次の狙いはブラウザそのもののようです。
米Perplexityは公式Xアカウントで、エージェント型検索に特化した独自Webブラウザ「Comet」の開発を進めていると発表しました。現在ウェイトリストへの登録を受け付けていますが、具体的な提供開始日はまだ明かされていません。
検索から「代理実行」へ向かうブラウザ
Perplexityが公開したティーザーは短いものでしたが、「エージェント型検索(Agentic Search)」というキーワードに同社の狙いが凝縮されています。
単にブラウザの横にAIチャットのサイドバーを添えるのではなく、ブラウザの根本的な体験をAI前提で再設計しようとしています。
Agora LabsのAI開発者であるSid Sharma氏は、エージェント型検索とはユーザーの代わりにAIがWeb上で自律的にタスクをこなすことだと指摘しています。音声などで指示を出すだけで、複数サイトにまたがるリサーチから、フォームの入力、ホテルの予約までをハンズフリーで完結させるような体験が想定されます。
業界関係者の間では、Webページのリアルタイム要約やインテリジェントなタブ整理、高度なセキュリティ検知機能などが組み込まれるのではないかと予想されています。
Google Chromeの牙城に挑む
2022年に設立されたPerplexityは、すでに週あたり1億件以上の検索クエリを処理する規模に急成長しています。
2024年12月には企業評価額90億ドルで5億ドルの資金調達を実施。直近でもAndroid向けAIアシスタントや検索API、さらにはGoogleやOpenAIに対抗する「ディープリサーチ」機能を立て続けに投入してきました。
しかし、ブラウザ市場への参入は極めてハードルが高い戦いです。市場はGoogle Chromeが圧倒的なシェアを握っており、Microsoft EdgeもCopilotの統合を進めています。さらに、The Browser Companyが開発中のAIネイティブブラウザ「Dia」など新興勢力も控えています。加えて、コンテンツの無断利用を巡って大手メディア各社から提訴されている法的な課題も残っています。
なぜ重要か
一般のユーザーやリサーチャーにとって、AIが「教えてくれる存在」から「代わりにWebを操作してくれる存在」へと進化すれば、日々の作業時間は大幅に短縮されます。調べたあとに発生する比較、予約、購入といった面倒な作業を丸ごと任せられる可能性があるからです。ただし現時点では早期アクセスの募集段階であり、アカウントログインや決済が絡む場面でどこまで安全に動作するかは見極める必要があります。
業界全体から見れば、これはPerplexityによる防衛策でもあります。Chromeという他人の庭でサービスを展開している限り、Googleのさじ加減ひとつでトラフィックを奪われかねません。自前のブラウザを持つことで、デフォルトの検索窓とユーザー接点を強固に防衛する狙いがあります。
独自ブラウザの開発は極めて野心的ですが、茨の道であることは間違いありません。Chromeの圧倒的なシェアを奪うことは歴史的に見ても困難を極めます。Perplexityには熱心なファン層がついていますが、普段使いのブラウザを完全に乗り換えさせるには、単なる要約以上の「本当に手作業をなくしてくれる体験」を実証できるかどうかが鍵になります。
情報源 (4)
- twitter.com(新しいタブで開きます)原文twitter.com
- siliconangle.com(新しいタブで開きます)報道siliconangle.com
- gadgetreview.com(新しいタブで開きます)報道gadgetreview.com
- x.com(新しいタブで開きます)議論x.com