ブラウザで動く3D建築エディタ「Pascal Editor」がオープンソース化
ブラウザ上で完全に動作する3D建築エディタ「Pascal Editor」がオープンソースで公開された。React Three FiberとWebGPUを採用し、高額な専用ソフトを使わずに壁のドラッグやフロア階層のリアルタイム編集が可能。高価なBIMソフトのワークフローをWeb上で手軽に代替できる。
Pascal Editorは、ブラウザ上で完全に動作するオープンソースの3D建築エディタだ。AutoCADやRevitのような重厚なソフトのインストールは不要で、年間5,000ドルのライセンス料を払うことなく、Web上で手軽に空間モデリングを行える。
何ができるのか
建物全体、各階層、壁、ゾーンといった完全な階層構造を備えており、すべて3Dビュー上でリアルタイムに編集できる。
ブラウザ画面上で各フロアを積み重ねたり、分解表示したり、特定のフロアだけを個別表示して作業することが可能だ。ゾーンを選択して壁をドラッグしたり、スラブの形状を直感的に変形させたりできる。
建築設計事務所がこうしたBIMワークフローを導入する場合、1ライセンスあたり5万ドル以上支払うことも珍しくないが、Pascal Editorはこれを無料かつオープンソースで実現している。
実装の仕組み
ブラウザ上で快適な3D操作を維持できる理由は、基盤となる技術選定にある。
描画部分にはReact Three FiberとWebGPUを採用しており、ローカルGPUで直接演算を行うことでネイティブアプリに近い速度を実現した。
フロントエンドはNext.jsで構築されており、デスクトップへのインストールなしでWebアプリとして動作する。状態管理にはZustandが使われ、アンドゥやリドゥの機能も標準で組み込まれている。
さらにゲームエンジンで一般的なECS(Entity Component System)設計を採用し、オブジェクトの更新をGPU駆動のシステムで処理している。更新された箇所だけを再描画するダーティノード追跡を備えているため、壁を1枚動かすたびに画面全体を再読み込みする必要もない。
なぜ重要か
学生や個人設計者、小規模なデザインチームにとって、高価なハードウェアや商用ライセンスなしに3D空間スタディを試せる環境は価値が高い。
詳細な図面作成や法規チェックなど既存のRevitを完全に代替するにはまだ時間がかかるとみられるが、WebGPUの活用によってプロ向け3D制作ツールがWeb上へ移行できることを明確に示した一例といえる。
情報源 (2)
- github.com(新しいタブで開きます)原文github.com
- editor.pascal.app(新しいタブで開きます)報道editor.pascal.app