Ornithが「Ornith 1.0」を公開:自作足場で動く最大397Bのコーディングモデル
Ornithはエージェント型コーディングに特化したオープンソースモデル群「Ornith 1.0」を公開した。最小9Bから最大397B MoEまで展開し、人間が組んだ枠組みに依存せず独自の足場ワークフローを自ら生成して課題を解く。SWE-benchなどで大型モデルに匹敵し、Hugging Faceにて21GBのGGUF版も配布中だ。

Ornith 1.0は、エージェント型の自律コーディングに特化して設計された新しいオープンソースモデル群だ。エッジ端末でも動く9B Denseから、最前線クラスの性能を狙った397B MoEまで幅広いサイズが揃っている。
エージェント型コーディングとは、単一ファイルの補完にとどまらず、タスク全体の計画、ツールの呼び出し、デバッグ、複数ファイルにまたがるコードベースの改修を自律的にこなす作業を指す。
本モデル群は事前学習済みのGemma 4およびQwen 3.5をベースに構築され、9B Dense、31B Dense、35B MoE、397B MoEの各バリエーションが用意されている。
モデル自身が足場を設計する仕組み
従来の強化学習では、人間が手作業で組んだ固定の検証ハーネスや実行フレームワークが使われていた。Ornith 1.0の最大の特徴は、解法を導くための「足場(スキャフォールド)」自体をモデル自ら学習・生成させる点にある。
強化学習の各ステップにおいて、モデルはまずタスクに応じた最適な足場(メモリ管理やツール実行手順、エラー処理戦略など)を設計する。その足場の上で実際のコード生成を行い、得られた報酬をコード生成と足場設計の双方にフィードバックする。
モデルが自ら足場を組み立てられるようになると、テストファイルから答えを決め打ちで抜き出すような報酬ハッキングが起きやすくなる。Ornithはこれを防ぐため、改ざん不能な隔離環境、不正アクセスを検知して報酬をゼロにする決定論的モニター、そして最終的な拒否権を持つ固定LLM判定役という3層の防御線を設けた。
ベンチマーク結果と動作要件
公開されたデータによると、フラッグシップのOrnith-1.0-397BはTerminal-Bench 2.1で77.5点、SWE-bench Verifiedで82.4点を記録し、Claude Opus 4.7(70.3点および80.8点)やMinimax M3、DeepSeek-V4-Proを上回るスコアを示した。
中小型モデルの健闘も目立つ。35B版はTerminal-Bench 2.1で64.4点を獲得し、巨大なQwen 3.5-397Bの53.5点を上回ったほか、Qwen 3.6-35BやGemma 31Bにも勝利した。最小の9B版でもSWE-bench Verifiedで69.4点を叩き出し、Gemma 4-31Bに匹敵する。
ハードウェア要件としては、397Bの完全版は約794GBあり、FP8版でも400GBを占めるため大規模な専用マシンが必要になる。
一方で35B版は70GB、さらに公式が提供するGGUFのQ4量子化版はわずか21GBに収まっている。中上位クラスの一般的なGPUが一枚あれば手元で十分に稼働させることが可能だ。
すべての重みとファイルはHugging Faceに公開されており、誰でもダウンロードして試すことができる。
なぜ重要か
自前の開発環境でプライベートなコーディングエージェントを動かしたい開発者にとって、Ornith 1.0は今すぐ試す価値がある選択肢だ。特に9Bや35Bモデルは省メモリながら非常に打率が高く、ローカルエージェント運用のハードルを一気に引き下げてくれる。
手法としても、単にコードの量を学習させるのではなく「思考と検証の枠組み」自体を自己進化させるアプローチは非常に賢い。ただし、ベンチマークに強く最適化されたモデル特有の癖もあるため、独自のレガシーなコードベースで実用に耐えうるかは手元の案件で慎重に確かめる必要がある。
情報源 (1)
- ornith.ai(新しいタブで開きます)原文ornith.ai