Ornith-1.5公開:自ら課題を作って自己改善、397BはOpus 4.8に匹敵
Ornith.aiがオープンソースモデル群「Ornith-1.5」を発表した。自ら課題を考案し評価環境を構築して強化学習を行う自己改善ループを採用しており、最上位の397Bはコーディング等の評価でClaude Opus 4.8と同等の性能を示した。9Bモデルはスマートフォン上でも動作する。

Ornith-1.5は、自ら課題を考案し、テスト環境を構築して強化学習を行う自己改善型のオープンソースAIモデル群だ。Qwen3.5やGemma 4をベースに追加事前学習や中間学習、事後学習を施しており、397B MoE、35B MoE、9B Denseの3つのサイズで提供される。
最上位のOrnith-1.5-397Bは、難関コーディングベンチマークにおいてClaude Opus 4.8と肩を並べる水準に到達した。さらに最小サイズの9Bモデルは、軽量化版のOrnith-1.5-9B-Mobileを用いることでiPhoneやAndroidといったスマートフォン上でも動作する。
自ら問題とテスト環境を生み出す自己改善ループ
一般的な強化学習は人手で整備されたデータセットに依存しがちだが、Ornith-1.5は課題生成、足場となる評価環境の構築、解法の探索という3つの工程をすべてモデル自身で行う。
学習サイクルでは、まず環境や過去の履歴を参照し、モデル自身の現在の限界を超える難易度の課題を生成する。課題は妥当性、現在の能力フロンティアに応じた適切な難易度、新規性の3要素で評価される。成功率が約20%になる課題に高い報酬を与えることで、簡単すぎず難しすぎない絶妙な訓練カリキュラムが自動で更新されていく仕組みだ。
次に、その課題を解くための指示やツール、評価ハーネスをモデル自身が構築する。最後に実際の解答方針を実行し、ハーネスによる検証結果をもとにGRPOアルゴリズムを通じて課題作成・ハーネス作成・解答方針のすべてに同時に報酬を還元する。
9Bから397Bまでの検証結果
ベンチマークでの数値も非常に高い。
フラッグシップの397Bは、Terminal-Bench 2.1のTerminus-2評価で86.1、DeepSWEで56.0、SWE-bench Verifiedで86.0を記録した。これはClaude Opus 4.8に匹敵し、GLM-5.2やDeepSeek-V4-Flash-0731といった同規模のオープンソース勢を上回る。
35B MoEモデルはトークンごとに3Bのパラメータのみをアクティブにする省リソース設計ながら、Terminal-Bench 2.1のClaude Code評価で68.5、SWE-bench Verifiedで79.0をマークし、同規模のQwen 3.6-35Bや密モデルのGemma 4-31Bに差をつけた。
最小の9BモデルもTerminal-Bench 2.1で47.0、SWE-bench Verifiedで70.6を記録し、30Bクラスの競合に匹敵する性能を示している。
なぜ重要か
Ornith-1.5が示した最大の価値は、固定された学習データに頼らずとも、モデル自身が課題と評価基準を作り出すことで能力の上限を引き上げられると実証した点にある。
端末上でエージェントを動かしたい開発者にとって、モバイル向けに軽量化された9Bモデルは今すぐ試す価値がある。一方で、AI自らがテスト環境を作って採点する仕組みには報酬のハッキングや意図しない評価の歪みが生じる懸念もあるため、実際の業務システムに組み込む際は監視体制が必要になるだろう。
情報源 (1)
- ornith.ai(新しいタブで開きます)原文ornith.ai