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OpenAIの動画アプリ「Sora」、公開直後から著作権侵害の懸念--ポケモンやマクドナルド動画が氾濫

公開 拡散指数 51

米CNBCの報道によると、OpenAIが今週招待制でリリースした動画生成アプリ「Sora」で、ポケモンやスポンジ・ボブなどの人気キャラを模した動画が急増している。法学専門家は大規模な訴訟リスクを指摘。同社は要請に応じた削除やキャラ単位のオプトアウト機能を提供する方針を示している。

OpenAIの動画アプリ「Sora」、公開直後から著作権侵害の懸念--ポケモンやマクドナルド動画が氾濫
画像:cnbc.com

もし今週、OpenAI のサム・アルトマン CEO が草むらでポケモンたちに囲まれながら「任天堂に訴えられないといいけど」と語る動画を見かけたとしても、それは本人の撮影ではありません。OpenAI が新しく公開した動画生成アプリ「Sora」で作られたものです。

OpenAI は今週火曜日、iOS 向けに Sora アプリを招待制でリリースしました。公開直後から爆発的な人気を博し、Apple の App Store で瞬く間に無料アプリランキングの首位へと駆け上がりました。しかし、アプリを手に入れたユーザーたちが真っ先に始めたのは、有名キャラクターを使った大量のパロディ動画の作成でした。

著作権侵害の懸念と「オプトアウト」への反発

アプリ上には「スポンジ・ボブ」や「サウスパーク」「リック・アンド・モーティ」など、スタジオが権利を持つキャラクターの動画が溢れかえりました。CNBC の検証でも、マクドナルドのドナルドがパトカーから逃走する動画や、ピカチュウ、スターバックスのカップなどが簡単に生成できたと報告されています。

火種となったのはその提供手法です。Wall Street Journal は以前、OpenAI がハリウッドの制作会社などに対し、自社 IP を Sora で使われたくない場合は事前に除外申請(オプトアウト)するよう伝えていたと報じました。

これに対し、法律の専門家からは厳しい指摘が相次いでいます。ヘインズ・アンド・ブーン法律事務所のジェイソン・ブルーム氏は、他者の著作物を利用するなら明示的な許諾を得るのが原則であり、拒否されない限り使っていいという理屈は著作権法上通用しないと批判しました。スタンフォード大学ロースクールのマーク・レムリー教授も、OpenAI は自ら膨大な訴訟リスクを抱え込んでいると警鐘を鳴らしています。

すでに米ディズニーやユニバーサルは画像生成 AI の Midjourney を著作権侵害で提訴しており、ディズニーは先週も Character.AI に警告書を送付したばかりです。

アルトマン氏、方針転換と収益分配を示唆

批判の高まりを受け、アルトマン氏は金曜夜のブログ投稿で方針の修正を表明しました。

同社は今後、権利者がキャラクターの生成可否を細かく管理できる「オプトイン」型の仕組みを導入する計画です。Sora にはすでに、ユーザーが自身の生体データを登録して動画に登場させる「Cameo」機能があり、他人の肖像は無断で使用できない設計になっています。アルトマン氏はこのモデルをキャラクター権利者にも広げ、利用の条件設定や完全な生成停止を可能にするとしています。

アルトマン氏はこれを「インタラクティブな二次創作」と表現し、ブランドにとっても新しいファン体験につながると主張しました。ただし、すり抜けを完全に防ぐことは難しいとも認めています。

さらに同氏は、動画生成の運用コストを回収するためのマネタイズに言及し、将来的な売上の一部を権利者と分け合う収益分配モデルの可能性も示唆しました。

なぜ重要か

今回の OpenAI の動きは、シリコンバレーの古典的な「許可を求めるな、謝罪せよ」という戦術そのものに見えます。まずは著名 IP を利用できる自由度の高さでバイラルを生み出し、アプリを一気にランキング 1 位へ押し上げた後で、問題視されてから権利者との交渉やオプトインへの移行を発表するやり方です。

この手法はアプリの立ち上げ戦略としては極めて巧みですが、法的なリスクはあまりに大きいと言えます。個人の肖像権を守る Cameo 機能では厳格な本人確認を求めているにもかかわらず、有名キャラクターについては「オプトアウト待ち」にしていた姿勢は、明らかな二重基準との批判を免れません。

一般ユーザーにとっては、今が最も自由に二次創作を楽しめるボーナスタイムと言えますが、オプトイン規制が本格化すれば、おなじみのキャラクターを登場させることは急速に難しくなるはずです。

業界全体にとって、今回の騒動は生成 AI の戦場が「学習データの是非」から「生成物の商用ライセンスと収益分配」へと移行したことを示しています。OpenAI がスタジオ側を納得させるレベニューシェアを確立できれば新たな標準になり得ますが、任天堂やディズニーなどの巨大 IP 企業が訴訟に踏み切った場合、サービスそのものが重大な法的ブレーキを踏まされる可能性があります。

情報源 (2)

  1. [1]
    cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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