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業界動向

OpenAI、ChatGPTの「成人向けモード」計画を無期限凍結

公開 拡散指数 53

英Financial Timesの報道によると、OpenAIはChatGPTの「成人向けモード」計画を無期限で棚上げした。従業員や投資家からの懸念を受け、露骨な対話による感情的愛着などの長期的な影響を研究するためとしている。動画生成Soraの終了に続き、競合に対抗すべく中核事業へ回帰する動きだ。

OpenAI、ChatGPTの「成人向けモード」計画を無期限凍結
画像:theverge.com

動画生成プラットフォーム「Sora」の提供終了を発表したばかりのOpenAIが、また一つ開発中のプロジェクトを棚上げにしました。

英フィナンシャル・タイムズによると、OpenAIはChatGPT向けに検討していた「成人向けモード」の計画を無期限で停止しました。この機能はCEOのサム・アルトマン氏が10月に構想を明かしていたものですが、性的表現を含むAIが社会に与える悪影響を懸念する社員や投資家からの強い反発に直面していました。

顧問からの警告と安全性の壁

社内での議論は数カ月間にわたり紛糾していました。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、1月に開かれた経営陣と諮問委員会の会議は険悪な雰囲気となり、ある顧問は「セクシーな自殺指南役を作り出すことになりかねない」と強く警告したといいます。

外部の監視団体からの批判に加え、未成年者の保護やモデレーション、AIに対する感情的な過度な依存への懸念が拭えませんでした。露骨なチャットや感情的愛着が長期的に及ぼす影響について実証的なデータが乏しいことから、同社は明確な知見が得られるまで製品化を見送る判断を下しました。

相次ぐ「寄り道」の中止と戦略転換

成人向け機能の中止は、ここ数日でOpenAIが断行した事業整理の第3弾にすぎません。

火曜日、同社はChatGPTを通じてネットショッピングの決済ができる「Instant Checkout」の優先度を引き下げました。水曜日には、ネット上に粗悪なAI動画を氾濫させていると批判されていた「Sora」のサービス終了を発表。そして木曜日に成人向けモードが凍結されました。

背景にあるのは、サム・アルトマン氏が12月に発令した「コード・レッド(非常事態)」です。GoogleやAnthropicの猛追によりかつての独走態勢が崩れつつある中、同社は脇道を捨ててプログラマー向けツールと企業向けビジネスという中核領域にリソースを集中させる方針へと舵を切りました。3週間前には米国国防総省との2億ドルの契約を獲得したこともあり、企業の関心は明らかに実務と国家安全保障へとシフトしています。

なぜ重要か

一般ユーザーにとって、ChatGPTが公認のバーチャル恋人や過激な対話相手になる未来は当面消え去りました。同様の体験を求めるユーザーは規制の緩い小規模サービスへ流れると考えられますが、プライバシーや安全性に関するリスクは格段に高まります。

業界全体にとって、この動きは大手AI企業によるエンタメ路線からの事実上の撤退宣言です。Anthropicがコーディングや業務支援ツールを着実に強化して法人需要を奪っていく中、OpenAIには高価な計算資源を物議を醸す娯楽機能に割く余裕がなくなっています。

性的コンテンツへの参入は一時的な注目を集める一方で、深刻な倫理問題や規制リスクを招く時限爆弾になり得ます。今回の撤退は非常に現実的な判断であり、フロンティアAIが目指す主戦場が成人向けチャットやネットミームではなく、企業の業務基盤や防衛契約に移ったことを如実に示しています。

情報源 (2)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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