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AIモデル

OpenAI、創薬・生命科学向け推論モデル「GPT-Rosalind」を発表

公開 拡散指数 51

OpenAIは創薬や分子生物学研究に特化した最先端推論モデル「GPT-Rosalind」を発表した。11項目のLABBench2タスク中6項目でGPT-5.4を上回り、RNA配列予測で人間の専門家の上位5%を記録。適格企業に限定提供され、Codex向け研究プラグインも公開された。

OpenAI、創薬・生命科学向け推論モデル「GPT-Rosalind」を発表
画像:openai.com

アメリカで新しい薬が標的の発見から承認に至るまでには、平均して10年から15年という長い年月がかかります。その初期段階で研究者が直面するのは、膨大な文献、複雑なデータベース、試行錯誤の連続という過酷なワークフローです。

OpenAI は、こうした生命科学の課題に特化した新たなフロンティア推論モデル「GPT-Rosalind」を発表しました。モデル名は、DNAの二重らせん構造解明に決定的な貢献をした科学者ロザリンド・フランクリンに由来します。

GPT-Rosalind は、化学、タンパク質工学、ゲノミクスなどの専門領域に最適化されています。提供は「トラステッド・アクセス・プログラム」を通じて行われ、まずは米国内の審査を通過した企業向けに展開を開始しました。その後のアップデートにより、9月11日にはグローバルの適格機関へと対象が拡大され、10月5日に正式な価格体系が適用される予定です。

専門家を上回るRNA予測とベンチマーク実績

汎用モデルは日常会話や一般的なコード作成には長けていますが、生化学の複雑な文脈理解には限界がありました。GPT-Rosalind は、分子やタンパク質、遺伝子経路などを横断した長期的な推論に強みを持っています。

実際の性能評価でも高い数字を叩き出しています。バイオインフォマティクスを評価する「BixBench」で公開スコア中トップクラスの成績を収めたほか、生物学研究タスクを測る「LABBench2」では全11タスク中6タスクで GPT-5.4 を上回りました。特に、分子クローニングの手順をゼロから設計する「CloningQA」で顕著な改善が見られました。

さらに、遺伝子治療ベンチャーの Dyno Therapeutics との共同検証では、未公開データを用いた RNA 配列の機能予測と配列生成テストを実施しました。Codex 上で10回の試行から最良結果を評価したところ、機能予測では人間の専門家の上位95パーセンタイルを超え、配列生成でも約84パーセンタイルを上回る成績を記録しました。

50以上のデータベースと連携するプラグインも公開

研究現場のツールと連携させるため、OpenAI は GitHub 上で Codex 向けの「Life Sciences research plugin」を無料公開しました。

このプラグインは、50以上の公開マルチオミクスデータベースや文献情報源、解析ツールとモデルを接続する橋渡し役を果たします。GPT-Rosalind のアクセス権がない一般ユーザーでも、このプラグインを OpenAI の主力モデルと組み合わせて配列検索や文献レビューに利用できます。

すでにアムジェン(Amgen)、モデルナ(Moderna)、アレン研究所、サーモフィッシャーサイエンティフィックなどの大手バイオ企業や研究機関と導入を進めているほか、ロスアラモス国立研究所ともタンパク質や触媒の設計で協力しています。マッキンゼーやBCG、ベインといったコンサルティングファームも導入支援に加わっています。

なぜ重要か

AI が創薬やバイオの領域に踏み込む動きは加速していますが、OpenAI のアプローチは非常に現実的です。Google DeepMind が AlphaFold などでタンパク質の立体構造予測という根源的な物理計算を攻めているのに対し、OpenAI は推論力とツール連携を武器に「研究者の実験計画やデータ探索を代行するエージェント」という立ち位置を狙っています。研究者にとっては、これまで数日かけて文献を読み漁りデータベースを照合していた作業が大幅に圧縮され、初期の仮説立案を高速化できる価値があります。

戦略としても、マッキンゼーなどのコンサルを巻き込んで製薬大手の研究パイプラインに直接食い込もうとしている点は抜け目がありません。ただし、創薬現場におけるミスはソフトウェアのバグ修正とは比較にならないコストを生みます。試薬の選定や実験プロトコルにわずかでもハルシネーション(幻覚)が混ざれば、ラボでのウェット実験に数か月と数百万円が無駄になります。生物兵器転用などの安全基準を理由に利用を厳しく制限しているのは妥当ですが、現場の研究者がモデルの出力をどこまで信頼して実験台に向かえるかが、普及の真の分水嶺になりそうです。

情報源 (1)

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    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com

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