OpenAIが「ChatGPT Pulse」公開:質問を待たず先回りしてリサーチ
OpenAIはモバイル版Proユーザー向けに「ChatGPT Pulse」のプレビュー版を発表した。過去の会話やGoogleカレンダーなどを基に夜間に自動調査を行い、毎朝パーソナライズされたカード形式で情報を届ける。受け身の対話型から自発的なアシスタントへの転換点となる機能だ。

質問を入力するまで、AIはずっと待っているだけ。そんなChatGPTの使い方が変わり始めています。
OpenAIは9月25日、夜間に自律リサーチを行い、毎朝5〜10枚のパーソナライズされたカード形式で情報を届ける新機能「ChatGPT Pulse」のプレビュー版をモバイル向けに公開しました。
まずは月額200ドルのProプラン会員向けに提供され、今後はPlus会員や一般ユーザーへも順次拡大される予定です。
就寝中にAIが下調べを完了
Pulseは非同期で動くリサーチ機能です。これまでのチャット履歴や記憶機能に加え、連携したGmailやGoogleカレンダーの予定を参照し、ユーザーが必要としそうな情報を深夜のうちにまとめ上げます。
朝アプリを開くと、専用タブに画像付きのカードが並びます。OpenAIの担当者がThe Vergeに実演した例では、夕方のチームディナー前に走るランニングコースの提案や、乳製品を避ける食事制限に合わせたレストランの注文プランが提示されました。
TechCrunchの取材では、サッカーチームの最新ニュースまとめや、幼い子どもを連れた旅行プランの提案といった実例も公開されています。カードは当日のみ有効で、深掘りしたい場合はタップしてそのままチャットで質問したり保存したりできます。
興味深いのは、SNSのような無限スクロールを意図的に排除している点です。数枚のカードを読み終えると「本日はここまで」と表示され、過度な滞在を求めない仕様になっています。
200ドルの壁と個人データの連携
この機能がProプラン限定で先行公開された背景には、莫大な計算リソースの消費があります。OpenAIのサム・アルトマンCEOは以前から、高負荷な機能は最上位プラン向けになると言及していました。
Pulseを賢く機能させるには、GoogleカレンダーやGmailとの連携が鍵になります。これらの外部連携は初期設定ではオフになっており、利用には明示的な承認が必要です。個人のフィードバックは本人のPulse改善にのみ使われ、他人のモデル学習には使われないと説明されています。
OpenAIのアプリケーション部門CEOを務めるフィジー・シモ氏は、指示を待つだけでなく、ユーザーの目標を理解して自律的に行動するアシスタントへの進化において、Pulseがその第一歩になると述べています。
なぜ重要か
私たちは、Pulseが生成AIを「受動的な対話ツール」から「能動的なパーソナルエージェント」へと進化させる重要な試みだと考えます。
ユーザーにとって、毎朝の段取りや必要なリサーチを先回りしてくれる価値は高いものの、月額200ドルという価格設定は一般の利用者には高すぎます。Plusプランや無料版へ下りてくるのを待つのが現実的です。
業界全体で見れば、Apple Newsのようなニュース配信アプリや、朝のニュースレター、リマインダー系ツールにとって強い脅威になり得ます。個人のスケジュールと興味関心を完全に把握したAIが届ける情報の方が、一般的な配信メディアよりも圧倒的に無駄がないためです。
情報をあえて数枚で区切る「節度あるUI」は巧みな判断と言えますが、メールや予定表という機密データをAIに委ねる以上、一度でも見当違いな推測やプライバシー上の懸念が生じれば、利用者の不信感につながるリスクもはらんでいます。
情報源 (3)
- openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com