米OpenAI、WebカメラのOpalに6000万ドル出資か AIハードウェア開発へ
The Informationによると、OpenAIが高機能Webカメラを手掛ける米スタートアップOpalの6000万ドル規模のシリーズB調達を主導する見通しです。Opalは調達資金の一部をクリエイター向けAIハードウェアの開発に充てる計画で、OpenAIの生成AIとの連携も期待されます。

大規模言語モデルを手がけるAI大手が、次々と物理的なハードウェアへと触手を伸ばしています。今回OpenAIが目をつけたのは、高品位なウェブカメラで知られる新興メーカーです。
The Informationの報道によると、OpenAIは家電スタートアップのOpal Cameraが実施する6000万ドルのシリーズB資金調達ラウンドを主導する見通しです。Founders FundやKindred Venturesといった既存株主も本ラウンドに参加すると報じられています。
Opalは調達完了後も従来のウェブカメラ事業を継続しますが、開発リソースの一部を新たなAI搭載デバイスの立ち上げに振り分ける計画です。これらの製品は、一般消費者向けの「クリエイティブツール」として位置づけられています。
デザイン性とエッジAIを両立させてきた実績
Opalはリモートワークの普及期に、洗練されたハードウェアで注目を集めた企業です。
現在の主力製品「Tadpole」は、ノートPCの画面に挟んで使う149ドルの小型ウェブカメラです。わずか1.25インチ四方、単三電池1本分ほどの軽さでありながら、最大4K解像度の映像を撮影でき、専用ソフト「Composer」で画質や照明を微調整できます。
さらにその2年前に発売された上位モデル「C1」では、すでにエッジAIの処理を組み込んでいました。Intelの画像処理チップ「Movidius Myriad X」を搭載し、専用のニューラル演算エンジンや16基のプログラマブルコアを活用して、被写界深度エフェクトや画質最適化を本体側でリアルタイム処理していました。
つまりOpalは、単に外観を美しく仕立てるだけでなく、超小型筐体に演算チップとビジョンアルゴリズムを詰め込むノウハウをすでに持っています。
OpenAIが進めるハードウェア布陣の拡大
OpenAIは過去3年間で設立したベンチャーファンドを通じ、10社以上のスタートアップへ出資してきました。その多くが自社製品にOpenAIのモデルを組み込んでおり、先日も出資先のFigure AIが特注モデルで動く人型ロボットを披露したばかりです。
Opalが開発する新型AIデバイスも、OpenAIの技術と連携する可能性が高いと見られています。クリエイティブ用途を掲げていることから、画像や動画の生成モデルと連動した機能が盛り込まれると予想されます。
OpenAIのハードウェアへの関心はコンシューマー向けに留まりません。先月にはBroadcomと独自AIチップの開発について協議を行っていると報じられ、GoogleのTPU開発に携わったエンジニアの採用も進めています。
なぜ重要か
AIがブラウザのチャット欄を飛び出し、ユーザーの作業空間を直接理解して支援するためには、専用の「目と耳」となるデバイスが不可欠です。
OpenAIにとって、Opalへの出資はリスクを抑えた賢い選択だと考えられます。研究開発企業が一から量産ハードウェアを立ち上げるのは極めて困難ですが、すでに製造や出荷の実績があるチームと組めば、開発期間と失敗リスクを大幅に圧縮できます。
クリエイターにとって、机上のスケッチや手の動きを認識してアイデア出しや画像・動画生成を補助してくれる専用デバイスが登場すれば、制作フローは一変するはずです。ただし、昨今のAI特化型ガジェットは実用性の面で苦戦が続いています。目新しさだけの置物で終わらず、日常的に使える道具に仕上げられるかが成否の分かれ目となります。
情報源 (1)
- siliconangle.com(新しいタブで開きます)原文siliconangle.com